「サステナブルファイナンス有識者会議」(第8回):議事録
1.日時:
令和3年6月11日(金曜日)10時00分~12時00分
【水口座長】 皆様、おはようございます。ただいまよりサステナブルファイナンス有識者会議第8回会合を開催します。本日も御多用のところ御参集いただきまして、誠にありがとうございます。
初めに、毎回同様の注意事項ですが、御発言されない間は必ずミュート設定にしてください。発言をされる際にミュートを解除し、発言が終わられましたら再びミュート設定にしていただくようにお願いをいたします。
1月からこの有識者会議を始めまして、今回で8回を数えるということになります。この間、有識者会議という名前のとおり、比較的自由な御発言、御議論をいただいてきたと思います。そろそろ終結かなと思っていただけているかなというふうに思いますが、前回報告書案に対して大変多くの御意見をいただきまして、桑田室長や岡田課長に大変御尽力をいただきまして、皆様の御意見を踏まえて報告書を修正いたしました。事前に皆様とも御相談させていただいていると思いますけれども、この修正の報告書案を基に本日取りまとめの議論をしたいと思っております。
また、報告書案の議論の後、本有識者会議の下に設定されましたソーシャルボンド検討会議での議論の状況について御報告をいただく予定です。本日は、こちらの検討会議の座長を務めていただいております青山学院大学の北川先生にもお越しいただいております。北川先生、どうもありがとうございます。
それでは早速、報告書の取りまとめに向けた議論に移りたいと思います。資料1、修正版報告書案について、事前にお送りしているものではありますけれども、事務局のほうから大きな修正部分について御説明をお願いします。よろしくお願いします。
【岡田総合政策課長】 ありがとうございます。総合政策課長、岡田でございます。主な修正点について、まずお開きいただきまして、「はじめに」のところの2ページです。2ページ目のところ、上から2段落目、「こうした観点から」の最後の「なお」というところの文章ですが、こちら、前回この報告書として、サステナビリティ全体を射程としつつ、当面は気候変動ということを明確化すべきというような御意見をいただいたので、そこを明確化しております。
それから、このページ一番最後の段落のところで「世界が持続可能な社会の構築」とありますが、前回複数御意見いただきまして、生活者としてのこの問題についての関わりを記すべきではないかといった御意見、その他、「はじめに」の最後のところにきちんとメッセージを入れるほうがいいと幾つか御意見いただきましたので、このような形で入れさせていただいております。
続きまして、7ページにお進みください。7ページの一番下のところ、注12であります。こちらにつきまして、1つには、グローバルな取組みを紹介しつつ、研究段階からこうした取組みに関与していくことが重要と御意見いただきましたので記すとともに、ハーバード大学は前回もありましたが、国連開発計画の例について追加しております。
それから、隣の8ページでございます。下から5行目ぐらいのところ、「また」というところですが、タクソノミーは前回いろいろな御意見いただきましたが、その中で複数ありました御意見で、地域・国の状況、多様性といったようなものを御指摘されましたので、この「また」の部分で反映させていただいております。
めくっていただきまして、9ページ目です。上から3つ目、「同基本指針において」という段落の最後のところですが、これは修辞的な修正ですが、「パリ協定と整合的」となっていたのを「パリ協定の長期目標と整合的」ではないかという御指摘いただきました。反映しております。
続きまして、13ページであります。13ページは開示についてのところでありますが、上から2段落、「また、投資家からは」というところで、ここについても複数、活発な御意見いただいたところでありますが、上から4行目の最後、「各企業の置かれた状況に応じ」というところについて、いろいろ複数いただいた意見をまとめて、こういった書き方で反映させていただいております。
続きまして、15ページでございます。15ページの下の注33の黒点3つ目ですが、Net-Zero Banking Allianceには日本の銀行も参加しているというようなことでありまして、前回御指摘いただきましたので、ここに追加しております。
それから、16ページ目の上から2段落目、「こうした国際的な取組み」の段落のところで、この報告書自体、今後、英語で対外的にも発信していく予定としておりますので、非常に重要なコメントだったと思いますけれども、英語版にした場合にふさわしい表現ということで、「国際的に議論できる能力」というような言い方、3行のところですが、修正させていただいております。
それから、次のページ、17ページの下のほうの「さらに」という段落があろうかと思いますが、こちらにつきまして、前回御指摘いただきましたインパクト投資について、特出しして、明確化させていただいております。
それから、隣の18ページ、下のほう、3ポツのところですが、ESG評価機関に加えて、データ提供機関を評価機関ときちっと分けて項目名を立てて、その後の文章におきましても、評価機関・データ提供機関を分けた関係で文章をいろいろと修正させていただいております。
それから、めくって、19ページの一番下の段落ですが、その上で、「サステナブルファイナンス市場の拡大」という段落の3行目の「そのために」以下でありますが、こちらにつきましては、評価機関・データ提供機関について、信頼性向上をやる際の対応について、例示ではありますけれども、少し具体的に書かせていただいております。
続きまして、22ページにお進みください。ここも下の脚注です。22ページ、脚注47、「ESG関連債の発行を」というところですが、証券会社が果たす役割として、ガイドラインの解釈、フレームワーク策定支援等の役割を果たすことへの期待ということを追加させていただいております。
それから、25ページにお進みください。25ページの一番下の段落ですが、これの下から3行目のところであります「これらの内容を踏まえ、金融機関との対話を重ねつつ」というところを、実際対話を重ねながらやっていくことだと思いますので、追記しております。
それから、26ページの②のガバナンスのところですが、「経営陣の」という3行目のところの修飾ということで、取締役会によるモニタリングといったことがより大事で、きちんと言及したほうがいいという御意見がありましたので、「ビジネスモデル・戦略との整合を踏まえた取締役会によるモニタリング」ということで明記させていただいております。
それで、最後になりますが、一番最後の28ページの一番下、「おわりに」のところでありますが、今後の実践が大事だというような御意見を前回多くいただいたと思っていますので、下から2行目のところで、「本報告書に盛り込まれた提言内容を踏まえ、横断的かつ継続的に議論し、さらなる実践に繋げていくことを強く望みたい。」というメッセージでこの提言、報告書を締めくくらせていただいております。
私からは以上でございます。
【水口座長】 ありがとうございました。今お話の中にもありましたけれども、1つは、英語化をするということを言っていただきました。英語版も出来るということだと思います。それから、一番最後のところ、28ページのところですけれども、市場関係者、金融機関、産業界、学界、NGO等、関係省庁も含めて連携をし、継続的に議論していくということで、継続的に議論し、実践につなげていくんだということを、この報告書で書ける範囲で最大限で配慮していただいたと、このように考えています。
それでは、ただいまの御説明を踏まえまして、皆様から意見を伺いたいと思います。本日は、この報告書案について御意見をいただきまして、取りまとめをさせていただきたいと考えております。前回たくさんいただいた御意見をできるだけ反映したというものではありますけれども、最後にこれだけは言っておきたいということがもしあればいただきたいと思いますし、また、報告書案に限らず、将来に向けて皆様から御意見、コメント等あれば、それもいただきたいと思います。
なお、本日、資料2としまして、1枚紙で「(概要)」と書いたものがございます。こちらは、金融庁として報告書の概要をまとめたものということでありまして、今回今日の議論はできれば報告書本文のほうの議論を中心にしていきたいと思っておりまして、概要のほうは概要ですので、ここで概要の書き方まで議論し始めると大変議論が混乱するので、報告書本文を中心に議論していただければと思っております。もちろん今日の議論の中で報告書の中に修正があれば、当然概要の中身も変わってくるのかなと、このように思いますし、私のほうでも確認をしたいと思います。
それでは、御発言をいただける方からは、いつものように直接お声を上げていただくという形で御発言をお願いします。どなたからでも結構です。いかがでしょうか。
【井口メンバー】 井口です。
【水口座長】 井口さん、お願いします。
【井口メンバー】 御説明どうもありがとうございました。まず、水口座長、事務局様には本当に多様な意見をまとめていただき、ありがとうございます。また、私自身も前回いろいろな意見を申し上げましたが、今回の報告書で可能な限り反映していただいたということと理解しております。
サステナブル社会構築を支えるファイナンスの在り方がこの報告書では明確に示されておりまして、また、どういう課題があるか、そして、その解決のプロセスも明確に示されていると考え、この報告書に全面的に賛同したく思っております。
水口座長のほうから、今後の方向性など御意見あれば、というお言葉がありましたので、4点ほど報告書にコメントさせていただければと思っております。
最初は6ページですが、今回、受託者責任の果たし方の中でESG要素を運用において考慮することは望ましい、ということを受託者責任の中で位置づけていただいたということで、投資家から見ても、今後、サステナブルファイナンス推進の大きな後押しになるのではないかと思っております。意義のある箇所と思っております。
それから、企業開示の12ページの注37のところになります。すみません、失礼しました、注23ですね。アメリカの動きを書いていただいている箇所となります。御存じのことと思いますが、アメリカの法定開示である10-Kの非財務情報部分の記述を定めるレギュレーションS-K、これに気候変動を強く盛り込んでいくことについてコンサルテーションをやられていますが、そこにPRIを含め、世界の機関投資家がかなり強い賛同を示しておるという状況と認識しております。このようなグローバルの資本市場の声を踏まえつつ、日本の状況も表現できるように努める形で、報告書の13ページにありますように、今後、IFRS財団の議論、あるいは国内においても企業開示について議論を深めていくということが重要だと思っております。
3点目のところは、17ページの投資家の開示になります。ここは、私もいろいろ意見を申し上げて申し訳なかったのですが、ご採用いただき、ありがとうございます。水口座長もおっしゃいましたように、私も、商品のリスク・リターンと個人投資家の趣向も踏まえて個人投資家に適切な開示が行われるということは重要と思っております。ただ、ESG商品といっても、商品によって大きく異なった部分もありますので、今回のような商品の特性を踏まえた上で開示するということは重要と考えます。インパクト投資についてはインパクトの達成状況や環境社会への効果について、可能な限り指標を用いて開示するということに賛同させていただきたく思います。
最後ですが、18ページのところで、ESG評価機関に加えて、ESGデータ提供機関を加えていただきましてありがとうございます。ここは前も申し上げましたように、金融機関・投資家の開示、それから、企業が自社の立ち位置を知るということにおいて、非常に重要になってくると思います。付け加えていただき、ありがとうございます。
以上でございます。
【水口座長】 ありがとうございます。御支持いただいたと思っております。ありがとうございます。また、おっしゃるように、アメリカも動いておりますし、日本も遅れずにというふうに思います。ありがとうございました。
ほかにいかがでしょうか。
【渋澤メンバー】 すみません、渋澤です。よろしいですか。
【水口座長】 お願いします、渋澤さん。
【渋澤メンバー】 ありがとうございます。私からも、水口座長及び金融庁の皆様が、本当に多様な意見を1つの提言書にまとめたこと、心より御礼申し上げます。
私からは1つ、機関投資家のところで、ここは井口さんの御意見もお伺いしたいところですが、今年の株主総会に向けて議決権行使のガイドラインを私の会社の社内で議論しております。今まではESGのGのところ、社外役員や女性役員の数とかが議論の中心でしたが、今年は初めて気候変動問題について議決権行使を通じどのように考えるべきかということが取り上げられました。方針はまだ定まっていませんが、この様な議論が今年初めて我が社でありました。確か、ブラックロックの議決権行使のガイドラインに気候変動を考慮する文言が入ったと思いますが、今後、機関投資家にこのような考えを促すことを、機関投資家のセクションの最後のところに締めとしてちょっと書いていただければいいんじゃないかなと思います。井口さんの御意見いかがですか。
【井口メンバー】 ありがとうございます。今、実際、株主提案含めて考慮しなければならないことがあるので、真剣に考えているところです。現状、機関投資家の考え方もいろいろかもしれませんが、基本的には、コーポレートガバナンス・コードにありますように長期的な企業価値の向上という観点から気候変動も重要になってきているということだと認識しております。もちろん、投資判断にも重要になりますし、渋澤さんがおっしゃったように議決権行使でも重要になってきていると思います。
ただ、現状、機関投資家によっても織り込み方が違いますので、渋澤さんのおっしゃることは十分に理解できるのですが、この報告書にどう落とし込むのだろう、ということを思っております。私の報告書の記載における理解では、機関投資家のところで、気候変動について重要視していくということは十分に書かれておりますので、それを踏まえた上で、個々織り込んでいくのがよいのではないか、と思っております。
以上です。
【渋澤メンバー】 そうですね。ありがとうございます。私も同じような考えで、ここで何かしっかりと方針を掲載するというではないですが、サステナブルファイナンスを促す提言書にこのような思考を始める良いタイミングかなと思ったので、一フレーズ入るといいかなと思った次第です。
【水口座長】 ありがとうございます。特に今年は気候変動に関する議決権行使は大きな論点ですよね。原則論からいえば、機関投資家は当然、議決権行使一般について自社の立場を明確にして議決権行使をしているはずですし、井口さんおっしゃるように、企業価値のことを考えて、中長期的な観点から議決権行使すべきだと思います。そういうことが今年はますます明確になってくる年だなというふうには思っております。恐らく今後ますますこういう方向に行くんだろうと思っているところです。
ほかに御意見いただければと思って・・・。
【井口メンバー】 ありがとうございます。水口先生や渋澤さんがおっしゃったことには全く共感しているのですが、報告書への書き方によってはすごく形式的な対応を促しているようにも捉えられるリスクもあると思っていますので、さきほど申し上げましたように、記載は、私も、まだ、時期尚早ではないかと思っています。明確に書くということになると、かなり注意が必要ではないかとも思っております。以上です。
【水口座長】 個々の機関投資家の判断によるということだと思いますので、報告書に何かを書くかどうかはまた別問題であると思っております。ありがとうございます。
ほかにいかがでしょうか。
【高村メンバー】 すみません、高村ですけれども、よろしいでしょうか。
【水口座長】 お願いします。高村先生、お願いします。
【高村メンバー】 ありがとうございます。おはようございます。今、井口さん、それから、渋澤さんからもありましたように、大変様々な意見を座長の下で事務局が丁寧にまとめてくださったと思っております。改めてお礼申し上げたいと思います。
今後に向けてということで水口先生からもありましたので、3点ほど申し上げたいと思っております。1つは、8ページ目のところにありますタクソノミーとトランジションのところです。こちら、前回発言をさせていただいて、様々この会議の中でも意見があり、様々課題もあるということを認識した上で、引き続きやはりこうした課題について検討するということを改めてこちらの報告書の中でも書いていただいたのは大変重要だと思っております。これは前回申し上げましたけれども、日本が国際的な議論に臨むにしても、それから、金融商品についてやはり何がグリーンかということが、恐らく消費者からも、あるいは実際にそれを取り扱う方からも、どういうふうに基準化されるかというのは非常に関心があることでもあると思いますので、ここで今回この会議の中で議論してきた中での検討課題というのを、特にここで挙げたものを引き続き検討をお願いしたいと思っております。
それから、2つ目が、その次のページだと思いますが、トランジション・ファイナンスのところです。こちらは修正いただいた、パリ協定のところ、修正をしていただいてありがとうございました。今ある報告書の文言を変えていただきたいということではないですけれども、これ、トランジション・ファイナンスの基本方針でも基本的にそういう考え方だと思うんですが、特にこの間の金融の動きも踏まえると、そして、日本の国の目標も踏まえると、やはり50年カーボンニュートラル、パリ協定でいくと1.5度目標に相応するような目標を参照しながらこのトランジション・ファイナンスを議論していかないといけないという段階にあると思っております。
これ、今、「パリ協定の長期目標と整合的な」というのは、これ、基本指針の文言だと思いますので、そういう意味で修正をお願いする趣旨ではありませんけれども、特に英語で発信をされるときに、50年カーボンニュートラルという国の目標あるいは国際的な動きをしっかり念頭に置いたものだということが分かるようにしていただいたほうがいいようには思います。日本語版と英語版と変えるという意味ではないんですけれども、パリ協定の長期目標だけだとそこのところがはっきりやはり伝わらない可能性があるのではないかというのを少し懸念していまして、英語版のときにぜひ少し補足していただくと、こちらの意思を補足していただくといいんじゃないかなと思っております。
最後は、一番最後に御説明の中でも強調して書いてくださったというふうに御説明ありましたが、今回、各界の、そして、とりわけ実務家の皆様参加していただいたこの会議は非常に有意義だったと思っております。私自身にとってもそうですけれども、これからやはり特に気候変動分野での資金の流れを変えていく、そういう金融システム、金融の仕組みをつくるというのが総理の施政方針演説の中で示されていた方向だったと思いますけれども、こうした専門家、実務家の皆様と議論して問題をあぶり出し、方向性を明確にできたということが大変貴重だというふうに思います。
先ほど井口さんからもありましたけれども、この分野の議論と政策の展開の速さに私自身も驚いておりまして、最後に書いていただいた、恐らく継続的検討とこれを実践に移すというのをかなりスピード感を持ってやらないといけないのではないかと思っております。継続的検討、この場を継続するのか、あるいは別の形でするのかということはありますけれども、できるだけ遅れないように、継続的検討とここであぶり出された検討課題への対処・実践をお願いしたいと思っております。
以上です。
【水口座長】 ありがとうございます。本当にスピード感を持って検討していかなければいけませんし、そういう意味ではいろいろな方の知見を集めるということは大変必要かなと思いますので、御指摘のとおり、こういう会議は非常に重要だと思いました。ありがとうございます。
それでは、ほかにもし御意見・・・。
【林(礼)メンバー】 BofA、林ですけれども、よろしいでしょうか。
【水口座長】 お願いいたします。
【林(礼)メンバー】 ありがとうございます。まず最初に、本当にいろいろな様々なお立場の御意見をいろいろな形できれいにまとめていただいて、本当にありがとうございました。敬意を表したいと思います。
今、高村先生がおっしゃっていただいたところでもあるんですけれども、8ページのトランジション戦略について、特に私もトランジション・ファイナンスの検討会にも参加していた立場ということと、それから、ICMAのメンバーであるということも踏まえて発言をさせていただきたいと思います。
昨日も、皆様御存じかもしれませんけれども、グリーンボンド原則と、それから、ソーシャルボンド原則などの改定がありました。大きく変わったわけではないんですけれども、やはりパリ協定のゴールへのひもづけということがより明確に示されてきているということもあろうかと思っていますし、皆様おっしゃったとおりに、すごい勢いで海外でもヨーロッパだけでなくて、アメリカも含めていろいろと議論が進んでいるということでございますので、8ページでトランジション戦略を絶えず見直すことということを書いていただいたのは、そのとおりだと思っています。
28ページの最後のところで、高村先生、水口先生もおっしゃいましたけれども、継続的に議論し、さらに実践につなげていくことを強く求めたいとあるんですが、こういう場で皆様と議論して、御当局のほうからまとめたものが出るというのが、1つ我々民間にとっては大きな指針になりますし、これを踏まえてということになると思うんですが、時として時間的なずれというのは当然ながら生じてくるというふうにも思っていますので、トランジション戦略を見直す主体は各ステークホルダーなんだということを、28ページで、主語が市場関係者、関係省庁、金融機関というふうにいろいろありますけれども、このトランジション戦略そのものも、海外の動きも見ながら事業会社あるいは金融機関も常に自ら見直していくという姿勢が本当に大事なんじゃないかなというふうに考えております。あるいはグローバルな議論に参加していくということが本当に必要で、こちらからも発信していくということだと思っているので、何か通達で出て、それに従うというよりは、一緒になって自分のこととして考えを進め、深めていくということが大事なんじゃないかなというふうに、自分に言い聞かせている点でもありますが、そんな気持ちでおります。
なので、資料を何か変えてくださいということではないのですが、その精神として、この報告書は1つの共通の見解であって、それを踏まえて各関係者が行動を起こすということを改めて自らも行ってまいりたいと思っております。
以上です。ありがとうございます。
【水口座長】 ありがとうございます。まさに市場が機能するってそういうことですよね。市場参加者が自主的にどんどん動いていくということが大事なんだろうと思います。ありがとうございます。
ほかにいかがでしょうか。
【足達メンバー】 足達ですが、よろしゅうございましょうか。
【水口座長】 足達さん、お願いします。
【足達メンバー】 まず水口座長はじめ、事務局の皆さんにここまで報告書をまとめていただいたことを感謝申し上げます。いろいろな意見がある中でこういう形でまとまったことは大変うれしいことであります。水口座長は私よりも若干先輩でございますけれども、90年代後半にこうした金融の在り方が必要だと、ある意味で草の根的運動を始めたわけです。それがこうして金融界全体の皆さんあるいは政策当局の皆さんの議論の対象になったということは感慨無量です。
その上で、私からは3点ほど、報告書の改定をお願いするのではないんですが、あえて議事録に残していただきたいという意味で、申し上げたいと思います。
第1はタクソノミーについてです。その要否は、今後の検討ということになりました。ただ、6月2日に成長戦略会議に提出をされました「グリーン成長戦略(案)」の金融の部分の文言を見ますと「グリーンな活動か、グリーンでない活動かの二元論だけでは評価されないと」とあり、この有識者会議で申し上げました、「二元論では評価されない」のではなくて「二元論だけでは評価されない」と変えていただいたようです。つまり、グリーン・タクソノミーは一応、一定の許容度を持ったというふうに解釈しております。グリーン・タクソノミーというものを今後検討していくことは、先ほど高村先生もおっしゃいましたけれども継続課題、国際的に議論していくときの材料として有効というふうに位置づけていただければと思います。
それから、2つ目はESG評価機関でございます。弊社も、業界の片隅で20年近く業務をさせていただいてまいりました。今回、様々な課題を浮き彫りにしていただいたことは、私どもも襟を正して、さらに高みを目指して業務を洗練していかなければならないというメッセージだと受け止めております。今後、例えば金融商品取引業者の1つとしてESG評価機関を位置づけるのか、位置づけないのかという議論設定の可能性というものもあろうかと思います。もしお許しいただければ、私どもも真摯に議論に参加をしたいと思っております。継続して日本のサステナブルファイナンスのレベル向上のために努めてまいりたいと思うところでございます。
3番目はリスク管理のところです。今回の報告書には、健全性政策とか、プルーデンシャルポリシーという言葉は出てまいりません。これはまだ日本では様々な議論がある中で機が熟していないという御判断だということだと思います。それは了解なのですが、例えば米国では3月に連邦準備制度理事会がミクロプルーデンシャルとマクロプルーデンシャルという2つの専門委員会の設立を決めております。このミクロとマクロの矛盾という関係は、実はグリーン・タクソノミーとトランジションとの関係にも大きく合致するところであります。こういう懸念が今後の課題として出てくることは必至であろうと思いますので、将来の検討事項として健全性政策というものをどういうふうに考えていくのか、組み立てていくのかということもテイクノートをしておきたいと考えるところです。
私からは以上です。ありがとうございました。
【水口座長】 ありがとうございます。足達さんは同級生と思っているんですけれども、いろいろ御指摘いただきました。引き続き、足達さんには今のような議論を引っ張っていただく必要があるなということを強く感じました。ありがとうございます。
ほかにいかがでしょうか。
【田代メンバー】 大和証券の田代ですけれども、よろしいでしょうか。
【水口座長】 お願いします。
【田代メンバー】 皆様もおっしゃっていましたが、今回はいろいろなバックグラウンドの方の意見をまとめてここまで来るのがすごく事務局の方大変だったと思いますけれども、特に私も含めて結構最後までいろいろ御議論させていただきまして、ありがとうございました。
最後のまとめにも書いてありますが、最終的に目指すところは、日本がパリ協定も含めてサステナビリティで世界のリーダーとなるためにはファイナンスをつける必要があるということだと思います。調達する側のニーズと資金を提供する側のニーズとが合致してはじめて資本市場にしろローン市場にしろ成り立つと思いますので、今後も特にトランジション・ファイナンスのところでは、それぞれのニーズ、かなり実務的になってはしまうと思うんですけれども、そのニーズをどうくみ取っていくかというのが大切だと思います。今後もどこかのタイミングでそれが実現するようにまた金融庁の方が先頭、リーダーとなって進めていただけると、本当に日本がサステナブルファイナンスにおいてグローバルのリーダーになれるのではないかと。さらに言うと、基準とかスタンダードとかの策定においてもリーダーにもなれるんじゃないかと思いますので、引き続きよろしくお願いいたします。
以上でございます。
【水口座長】 ありがとうございます。実務の立場から御支援いただいたように思います。ありがとうございます。
ほかにいかがでしょうか。
【手塚メンバー】 手塚ですけれども、よろしいですか。
【水口座長】 手塚さん、お願いします。
【手塚メンバー】 様々な立場の様々な意見をここまできれいにまとめられて、本当に敬意を表したいと思います。どうもありがとうございました。
2点あります。1点は、この報告書がせっかく出来たわけですから、これをこれからやっぱりどうやって使っていくかということが大きなポイントなのかなと思います。特に中身をいじってという話ではなくて、事業会社の立場からすると、やっぱり気候変動に対応するグリーントランスフォーメーションというか、この世界というのは大変大きなチャレンジなわけですね。
実際に現実のビジネスをやりながら革新的な技術の開発に経営資源を投じ、それも革新的であればあるほど成功する確率というのは必ずしも高くもない、そういうものに石にかじりついてそれを継続してやっていく必要があるわけです。一方で、出来上がった技術は実装していかないといけない。それは既存の商品なり、既存の生産設備なりをどんどん入れ替えていくという、ここにも莫大な資金需要が出てくるということが起きるわけでして、相当潤沢な資金を回していただかないと、やはりそれは実現しない。逆にそこの部分のパイプが詰まるとスピードは物凄く遅くなると、こういうことだろうと思います。
ただ、現実の世界を見てみると、今のグリーン成長戦略あるいはグリーンイノベーションの世界というのは、相当な程度公的資金のバックアップによって成立しているわけです。これは研究開発の補助金であり、あるいは普及に向けた投資、これも政府からのサポートをいただいて進めているというのが中心になっているわけですね。ただ、それではやはりどこかで必ず息切れをするわけなので、そうした活動を純粋に民間の経済活動の中で回るようにし、しかもそれが加速するというふうにならないと、ある意味、絵に描いた餅になってしまうということなのだろうと思います。
そういう意味で、ここでまとめられた基本的な考え方、これをいかに実践していくか、これがやっぱり一番大事な話なのだろうなと思います。高村先生なんかもそれに近いような御発言をされていたのではないかと思います。準備は整ったけれども、実際これをいかにアクションにつなげていくかというのが大いに大事ですし、事業会社の立場からすると、ある種リスクを前提としたお金が潤沢に出てくるということが継続的に行われないと、やっぱりスピードダウンになってしまうという懸念も持っているところでございます。
あと1点は、大変小さな話なのですけれども、これは資料のほうの話です。13ページの上から2つ目のパラグラフにある、開示に関するところで、「各企業の置かれた状況に応じた自主性や柔軟性を維持しつつ、意思決定に有用でグローバルにも通用する開示を促す枠組みが望ましいとの意見がある」というのがありますが、これは私がこの場で発言して、こういうものを入れていただくと良いのではないかというものを申し上げたところなのですが、これは私の個人の意見というよりは、その場でも申し上げましたけれども、TCFDコンソーシアムが昨年の7月に発表した「よりdecision-usefulなTCFD開示の促進に向けて」という意見書というかペーパー、これを引用して発言させていただいたわけです。
そういう意味では、上の項目25にも脚注がついていますけれども、この部分にも脚注を可能であればつけていただいて、TCFDコンソーシアムのペーパーを、これはホームページで一般に公開されていますので、引用いただくと、その2ページにわたるペーパーの中には、なぜそういうことが重要かということが最初のほうのページにいろいろ書かれていて、これはTCFDコンソーシアムの情報開示ワーキンググループ、これは私が座長をやっているのですけれども、いわゆる事業会社、開示する立場の人たちと、それから、情報活用ワーキング、これは主に金融系の実際に情報を使われる方々のワーキングが合同で議論した中で、様々なプロ・コンを検討した上で、こういうことが望ましいということを世の中に訴えましょうということでまとめた資料でございますので、これを引用していただいて、関心のある方はもとの資料までたどり着けるようにしていただくのがよろしいのではないかと思いまして、ちょっとコメントをさせていただきました。よろしくお願いします。
【水口座長】 ありがとうございます。前段の話は大変重いお話で、おっしゃるとおりだと思います。いかに実践していくかというか、いかにきちんと資金を流していくかということですよね。後段のほうは、注を1個つけるということであれば、ちょっと検討させていただければと思います。ありがとうございます。
それでは、今、岸上さんですか。どなたかもう一人一緒にお話しされた。
【岸上メンバー】 岸上です。よろしいでしょうか。
【水口座長】 お願いします。
【岸上メンバー】 ありがとうございます。改めまして、このような場に最後まで参加させていただき、ありがとうございました。こうした有識者会議への参加は不慣れですけれども、最後まで皆様お付き合いいただき、ありがとうございました。
この度の報告書ですけれども、1つの派手な提言というよりも、金融システム全体に関わる幅広いプレーヤーの皆様を意識した大事な要素がたくさん含まれているような形になっているかと思います。だからこそ、ここで終わりというよりも、皆様もおっしゃられている様に、この提言を意味あるものにするためには、ここからが本番ではないかと思っております。
そうした中で、度々報告書の中でも、人材育成、そして、ノウハウの構築が1つのテーマとして出てきているかと思います。国際的に通用する人材、そして、気候変動をはじめとしたそれぞれのサステナビリティ要素に関係するような専門知識など今後課題となってくるかと思いますので、私も含めた今回参加している全員、一人一人がどういった形で適した人材を育てていけるかというのは大きな課題になってくるのではないかと思います。
本当に社会がサステナブルであり続けるための金融システムが、今後も議論され、国際的にも伝わるように発信されて、実践を続けていく、その最初のきっかけになっていくことができればと私も思っております。ありがとうございました。
【水口座長】 ありがとうございます。本当にこれをきっかけに広がっていくということが大事だなと思っております。
ほかにいかがでしょうか。
【小野塚メンバー】 いいですか、先に。すみません、小野塚ですけれども、3点ほどあります。まずその前に、本当に皆様に御礼を申し上げます。こういった場をつくっていただいたこと、それから、私も含めていただいたことに心から御礼を申し上げます。お疲れさまです。
1つ目ですけれども、まずインパクト投資の話、ほかの会議でもかなり調査等が進んでいるということがありますけれども、ここについてはやはり持続的な社会と、それから、金融の両立という意味では、やはり拡大をしていく分野なのかなと思いますので、引き続き、プラクティカルな施策に何かつながるような議論とかいうのを継続していただきたいなと思います。
2点目もそれに関連してなんですけれども、個人投資家の部分については、やはりESGインパクトというところの開示をこちらで整備するというのもそうですし、あるいはやはり啓蒙とか啓発といったところで、ESG投資に加えて例えばインパクトのような、少し資金性として長く定着するような投資の対象になる商品なんかも個人投資家にも向けて販売できるようなそういった施策といいますか、あるいはもしかすると税制のようなものも視野に入れて、プラクティカルな議論を進めていくといいのではないかと思いました。
それから、3点目ですけれども、後段で44番の注釈のところにもつけていただきましたが、情報開示のXBRL化というところで、これはプレゼンの機会をいただいたときに私のほうからもシェアしましたけれども、グリーンウォッシング等やっぱり気になるところで、インパクト、それから、開示の、一連の開示のチェーンの電磁的なひもづけというのが今後さらに進むことを期待します。
やはりエンゲージメントの現場で活動していますと、企業の皆様、すごく開示について真摯に取り組まれていらっしゃいますし、もちろん投資家のほうもそれを読み込もうということですごく頑張っているわけですけれども、なかなか膨大な情報量になりますと、やはり人的、人海戦術では難しいという状況になりますので、この辺りをいわゆる政府も含めた、国としてのキャパシティビルディングのような形で何か電磁化の仕組みをつくれたらいいのではないかと思いますので、今後の議論の種として取り上げていただければと思います。
以上になります。ありがとうございました。
【水口座長】 ありがとうございます。まだまだやることは多いという御指摘をいただきました。ありがとうございます。
今、経団連の長谷川さん・・・。
【長谷川メンバー】 はい、長谷川でございます。
【水口座長】 お願いします。
【長谷川メンバー】 ありがとうございます。水口座長はじめ、金融庁の事務局の皆様には、多様な意見をうまくまとめていただきまして、感謝申し上げます。私も今回、実務の専門家の皆様の現場の御意見をいろいろ聞くことができ、個人的にも大変勉強させていただきました。ありがとうございます。
今回の最終報告書案では、タクソノミーの部分については、前回、手塚様や林様から出された御意見を経団連としても賛同するといったことを書面でお伝えさせていただき、反映していただいておりますので、この案に賛同いたします。
今後に向けてということですけれども、経団連でもESG情報開示国際戦略タスクフォースというものをつくっておりまして、そこでIFRS財団のサステナビリティ基準の策定に向けて、経済界としての意見を述べていく、参画していくということにしております。
また、インパクト投資に必要なインパクト評価につきましては、経団連が支援しておりますJANPIAという休眠預金を活用する組織において、実際にインパクト評価を実践されているということもありますので、そういったところとも連携しつつ、インパクト評価について経団連としても今後検討を深めていきたいと思っております。
最後ですが、高村様から御指摘があったとおり、このサステナビリティの分野は、本当に国際的な基準策定のスピードが速いと感じております。特に欧州などでは、規制強化に向けた動きもかなり強くなってきているように感じております。そういった状況も踏まえまして、今回の報告書で指摘された課題や様々な提案につきましては、早急に具体化に向けて金融庁でもアクションを取っていただければと思いますし、また、経団連としても、企業が取り組むべき課題については企業側に働きかけてまいりたいと思っております。
以上です。
【水口座長】 ありがとうございます。大変後押しをしていただきまして、助かりました。ありがとうございました。
ほかにいかがでしょうか。この会は当てたりしない会なので、特に御意見がなければ、もうよいよということであればそれでもよいのですけれども、よろしいでしょうか。何か御意見いただけますか。
【吉高メンバー】 吉高ですけれども、よろしいでしょうか。
【水口座長】 はい、お願いします。
【吉高メンバー】 ありがとうございます。まず、本当に皆様お疲れさまでございました。すばらしくまとめていただき、私も20年以上、環境と金融ということで関わってまいりましたので、大変感慨深く思っております。どうもありがとうございました。
今回の報告書の内容については、十分議論がされた上での最終的な取りまとめなので、ここで何か追加的にということはありません。ただ、ほかの委員の方々もおっしゃったように、あまりにもこの分野の速い動きを私自身も感じております。今回、タクソノミーやトランジションについていろいろ議論がありましたが、分類の是非というよりも、非財務情報の開示の義務化、気候変動に関する情報開示の義務化がそこまで来ているという点では、すぐにでもアクションを取らなくてはいけないということは、皆様と同じ意見でございます。
その上で幾つかコメントをさせていただきたいと思います。
まず、(気候変動を中心としたグリーンだけではなく)ブルーエコノミーなど自然資本に注目する新たな投資先が望まれ始めている昨今では、サステナブルファイナンスの方向性をまず示すというのは重要だと思いますが、今後はこれを基礎に、内容を積み上げ広げていただきたいと思います。
今回の報告書で「地方」という言葉があまり入っていないと思っております。「中小企業」という言葉は24ページにもございますけれども、今週政府から地域脱炭素ロードマップが公表されまして、はっきりとその中に、自治体、金融機関、地域企業、市民などが主体となり地域発の脱炭素ドミノを起こすことが、国の脱炭素を進めるためには重要だと明記がされております。中小企業と一言にまとめるだけではなくて、金融機関も様々な規模がございますし、皆様を巻き込むような形に、
この報告書を活用していただければと思います。さもなければ、中央と地方で温度差があり続けますと、地域格差が出てまいります。この点が、懸念しているところでございます。
それから私が参加している中央環境審議会と産業構造審議会の合同会合で、若い方々との対話を持つ回がございまして、気候変動に関して金融機関はどう考えているのかという質問を受けました。私はこのサステナブルファイナンスの有識者会議で議論しており報告書を出すので、ぜひそれを見てくださいと回答しております。このように若い方も金融機関が進めている気候変動の取組みに関心を持っている方々が増えてまいりました。報告書の最後に巻き込むステークホルダーにNGOもございましたけれども、次世代を巻き込む形で、金融機関の在り方を考えるようなことも、今後検討していただきたいと思っております。
また、この報告書が英語化されるということでは、アジアなどの金融機関ともサステナブルファイナンスの意見交換ができるスタート地点に立てるのだと思います。報告書に、「各国の発展段階や地理的条件、エネルギー事情等」の留意について記載されていますし、欧米がどのように他の地域が関わるかをにらみ、日本もアジアの地域や他の地域と対話もちサステナブルファイナンスの構築が共にできるような体制作りは重要だと思っております。これを機に、海外にも対話を展開していただけることを期待しております。
以上でございます。ありがとうございました。
【水口座長】 ありがとうございました。本当に若い方をきちんと巻き込んでいくというのも重要ですし、アジアへの目線、特に地域の話は、私も地方の大学でもありまして、地域の産業構造の転換に地域の企業がきちんとついていけるのかというのが非常に大きな課題だと思っております。環境省のほうでもESG地域金融という議論もありますし、そこは非常に重要なことだなと思っております。ありがとうございました。
ほかにいかがでしょうか。もうよろしいでしょうか。
【藤井メンバー】 じゃあ、藤井です。よろしいでしょうか。
【水口座長】 はい、ありがとうございます。
【藤井メンバー】 せっかくなので。まずは水口座長、それから、事務局の皆様、多様な意見をまとめていただいて、ありがとうございました。今回何度も読み返してみましたけれども、まとめていただいただけにとどまらず、報告書の論点は非常に網羅的であるということを痛感いたしました。サステナブルファイナンスに関する論点を入り口から出口まで、川上から川下まで網羅していただいていると思います。そういう意味では、本報告書は、金融機関の関係者のみならず、全てのステークホルダーにとってのハンドブックといいますか、指針になると思います。
一方で、まさに「おわりに」にあるとおり、実践につなげていくということがステークホルダーに求められるわけでありますので、これからが、今日からがまさに次のアクションに向けた動きだと思います。金融庁を含め関係者の皆様には、引き続き御指導、御鞭撻をいただきたいと思います。ありがとうございました。
【水口座長】 ありがとうございました。
ほかにいかがでしょうか。よろしいでしょうか。藤井さんの声も聞けてちょっと安心をしました。
それでは、大変いろいろな御意見をいただきました。ありがとうございました。報告書について、基本的には御支持をいただけたものと考えております。ですので、再度皆様にお集まりいただく必要はないかと考えます。この先、表現ぶりについて再度精査をしまして、取りまとめをしたいと思います。今後の作業につきましては、大変恐縮ですが、私と事務局のほうに一任をしていただければと思いますけれども、よろしいでしょうか。
( 拍 手 )
【水口座長】 ありがとうございます。拍手をいただきました。それでは、御一任いただいたということにしたいと思います。
また、この報告書をいつどう公表するんだということもあるかと思いますが、公表の段取りというのもいろいろあるようでして、こちらも金融庁様と御相談をしながら進めてまいりたいと思いますので、御一任いただければと思いますが、よろしいでしょうか。
( 拍 手 )
【水口座長】 では、公表につきましても御一任いただければと思います。ありがとうございました。
それでは次に、ソーシャルボンド検討会議での議論の状況につきまして、座長の北川先生から御報告をいただければと思います。北川先生、よろしくお願いいたします。
【北川座長】 それでは、御説明をさせていただきます。本日は、資料3として、「ソーシャルボンドガイドライン(草案)の概要」をお配りしておりますので、こちらに沿って御説明させていただきたいと思います。
改めまして、座長を務めております北川でございます。そもそもこのソーシャルボンド検討会議でございますけれども、新型コロナウイルス感染症の拡大を踏まえまして、サステナブルファイナンスにおいて、E、環境分野に加えて、ソーシャルの分野、Sの視点の重要性が世界的にも高まっているところでございます。このような中、社会的課題の解決に貢献するソーシャルプロジェクトを資金使途とするソーシャルボンドが国内外で注目され始めております。その発行額も特に海外では大きく拡大してきております。国内でもソーシャルボンドの発行は拡大してきておりますけれども、その内訳を見ますと、公的セクターによる発行が大部分を占め、民間企業による発行は始まったばかりでございまして、経済界等から国内における実務的な指針の早期策定を要望する声も寄せられてきたところでございます。
こうした状況を受けまして、本年3月、サステナブルファイナンス有識者会議の下にソーシャルボンド検討会議が設置されました。水口先生にはその委員にもなっていただいております。これまで3回にわたりまして会合を開催し、国際的な原則や環境省の既にありますグリーンボンドガイドラインも踏まえまして、我が国の特性に即したソーシャルボンドガイドラインの策定に向けて、市場関係者及び有識者の委員の方々と検討を重ねてきております。
6月3日に開催しました直近の第3回会合におきまして、ソーシャルボンドガイドラインの草案を提示しておりまして、それで御議論いただいたところでございます。それから、昨夜、ICMAグリーンボンド原則/ソーシャルボンド原則の年次総会が開催されまして、ソーシャルボンド原則の改定等が行われております。次回の第4回会合におきましては、第3回会合での議論、ソーシャルボンド原則の改定内容も踏まえて、盛り込んだ内容の修正案について議論するという予定でございます。
本日は、この資料におきまして、第3回会合でお示しした草案の概要につきまして、簡単に御説明をさせていただきます。
ソーシャルボンドにつきましては、国際資本市場協会、先ほども言いましたICMAがソーシャルボンド原則を公表しておりますけれども、現状、これが唯一の国際標準となっております。本ガイドライン案におきましては、ICMA原則との整合性に配慮しつつ、先進国課題を多く抱える我が国の状況にも対応するものとして、ソーシャルボンドの信頼性確保と発行体の負担軽減を図り、我が国民間企業等によるソーシャルボンドのさらなる発行を期待して策定するものでございます。
本ガイドラインの全体像としましては、ICMA原則と整合しますように、ソーシャルボンドの4つの要素、ここに掲げておりますけれども、1、調達資金の使途、2、プロジェクトの評価・選定のプロセス、3、調達資金の管理、4、レポーティングと、外部機関によるレビュー、この各項目について具体的な考え方、実務上の対応事項を示しております。
このうち、特徴的な部分として、1、調達資金の使途及び4、レポーティングについて御説明申し上げます。1、調達資金の使途につきましては、ソーシャルプロジェクトの例を示しております。まずプロジェクトの大きな事業区分として、ここにありますように6つ、1、手頃な価格の基本的インフラ整備、2、必要不可欠なサービスへのアクセス、3、手頃な価格の住宅、4、雇用創出、5、食糧の安全保障と持続可能な食糧システム、社会経済的向上とエンパワーメント、この6つを例示しております。これらの事業区分は、ICMA原則において例示されているものと同一のものでありまして、現在、ソーシャルボンドを発行する際に広く一般的に利用されております。
本ガイドライン案では、こうした事業区分をより具体化した事業細目のところで追加的な事業細目等を例示しております。つまり、追加的な事業細目の例としまして、我が国の社会的課題として想定されるもの及び国内外の民間企業におけるソーシャルボンドの発行事例等を勘案し、示しております。より具体的には、資料に青字で記載しておりますけれども、防災・減災対策、災害復興、子育て・介護支援、感染症対応、地方創生・地域活性化、女性活躍推進、働き方改革及びバリアフリーの推進等を挙げております。
なお、本ガイドラインでは、こうした事業細目の例に加えまして、別途、民間企業がソーシャルボンドを発行する際の参考とできますよう、付属書においてさらに具体的な資金使途についても例示を掲げております。
また、ソーシャルプロジェクトにおいては、プロジェクトの対象となる人々、すなわち、ソーシャルプロジェクトにより裨益する人々を特定することが必要と考えられます。この対象となる人々につきましても、ICMA原則における例示に加えて、本ガイドライン案の追加例示としまして、社会経済的に困難な状況に置かれている地域の企業・住民、感染症の拡大等により事業に影響を受けた中小企業、仕事と子育て/介護等を両立する人々を挙げておりますということでございます。
次に、4、レポーティングにおきましては、プロジェクトの概要、充当した資金の額、社会的な効果等を開示すべきであるとした上で、ICMAの別のガイダンス文書の考え方も踏まえまして、社会的な効果をレポーティングする際には、アウトプット、アウトカム、インパクトの3段階で示すことが望ましいといった考え方なども取り入れております。
以上、簡単ではございますけれども、本ガイドラインの現時点での草案の概要でございます。先ほども申し上げましたとおり、第3回会合の議論及びICMA原則の改定内容等を踏まえた修正を行い、次回の第4回会合における議論を経て取りまとめた後、パブリックコメントに付し、今夏にも確定することを目指しております。
我が国では、古くから社会的課題解決に向けた貢献といった側面を大切にしてきたという考え方の企業が少なくないように思います。このような日本企業の姿勢はソーシャルボンドの理念とも相通ずるところが大きいと考えられるところから、本ガイドラインの策定により、我が国の民間企業等のソーシャルボンドの発行が大きく拡大し、ソーシャルボンド市場を通じた社会的課題の解決につながっていくことを強く期待しております。
まだ中途ではありますけれども、私からの報告は以上でございます。ありがとうございました。
【水口座長】 北川先生、ありがとうございました。それでは、ただいまの御説明につきまして、御質問あるいはコメント等ある方は御発言をいただきたいと思います。いかがでしょうか。
【林(礼)メンバー】 すみません、BofA証券の林ですが、よろしいでしょうか。
【水口座長】 はい、お願いします。
【林(礼)メンバー】 北川先生、御説明ありがとうございました。私もこの検討会議に参加させていただいているので、感想と申しますか、私のコメントを少しだけ申し上げたいと思います。
こちらのサステナブルファイナンス有識者会議と同様に、非常に皆さんいろいろな観点で御議論を深められているように思っておりますし、ソーシャルボンドは、本当に何をもってソーシャルなのかというのはなかなか回答がない中で、世の中に、北川先生おっしゃったようにICMAの原則が唯一のルールということでございますので、その中で日本ならではのものを作成するというのは非常に意味があることだと感じているところでございます。特に環境もそうですけれども、社会課題ということについても地域の特性が相応にございますので、海外の方にも御理解いただけるような説明責任というのは当然、発行体、それから、引受証券会社、セカンドパーティオピニオンを提供する団体においては、大変問われるというふうに思っております。いずれにしても、ソーシャルボンドのガイドラインの作成は非常に意味がある取組ではないかとも感じているところでございます。
最終案が楽しみだなと思っております。以上です。ありがとうございます。
【水口座長】 ありがとうございます。ほかにいかがでしょうか。
【井口メンバー】 では、井口です。
【水口座長】 井口さん、お願いします。
【井口メンバー】 ありがとうございます。北川座長、御説明ありがとうございました。この報告書、私も拝読させていただきましたが、非常に難しい、ソーシャルボンドの考え方、あるいは、検討すべき必要となる事項についてもカバーされていまして、投資家にとっても非常に有用な報告書になるのではないかと思っております。
あと、先ほどICMAのガイダンスがアップデートされたというようなお話があって、私、詳細にはまだどうなったか分からないのですが、こういった報告書もアップデートしていく必要があるのではないか、と思っています。特に、報告書で、これはトランジション・ファイナンスの報告書もそうですが、言葉遣いで「べき」とか「望ましい」とかいう使い方をされているところで、現状を考えれば、この報告書に書かれている位置づけでいいとは思っておるのですが、外部機関によるレビューなどは、今後、投資家からもっと望むという声が出てきたときに、「望ましい」という表現でいいのかということは議論になるとは思います。今後こういった資本市場の声を踏まえて、定期的ではないかもしれませんが、アップデートしていくのが望ましい方向ではないか、と思っております。以上でございます。ありがとうございました。
【水口座長】 ありがとうございます。恐らくソーシャルボンドガイドラインも定期的に改訂されていくことになるのかなと思っております。
ほかにいかがでしょうか。
【足達メンバー】 足達です。よろしゅうございますでしょうか。
【水口座長】 お願いします。
【足達メンバー】 北川座長、このソーシャルボンドガイドライン、取りまとめ大変御苦労さまでございました。弊社も、ソーシャルボンドについてSPOを提供するという仕事をやっておりますが、何がソーシャルのイシューなのかについての共通の理解が日本の中でまだ未成熟であると感じておりました。そうした観点から、例示という言い方だとしても、こうして具体的な資金使途の在り方や対象となる人々のイメージづけができたということは、大変助かるということで、まず御礼を申し上げたいと思います。
その上で、今、ISOでサステナブルファイナンスの議論が進んでおります。今の議論は、イギリスが主導しており、クライメートファイナンス、気候の問題に論点が集中しがちになっております。有識者会議報告書でも、まずは気候変動問題をと、クライメートファーストで結構なんですけれども、サステナブルファイナンスはクライメートだけではないというふうにも思います。それは結構、日本の皆さんの主張でもあると感じております。
今回のソーシャルボンドガイドラインについては、日本の産業界や日本証券業協会さんなども、その必要性や意義を感じられて、議論の発端をつくられたと伺っております。当然、国内コンセンサスが出来ることが前提だとは思いますけれども、日本からソーシャル領域のファイナンスの国際規格のようなものも提言をし、取組みを進めていく余地はあるのかもしれないと申し上げたいと思います。実はサステナブルファイナンスを取り扱うISOの技術専門委員会TC322に呼応する国内委員会の委員長は北川座長でいらっしゃいますので、整合感もございます。今日、御所管の経済産業省からもオブザーバーの方が聞いていただいていると思うわけですが、こうした提案もいたしたいと思います。
以上でございます。
【水口座長】 ありがとうございます。北川先生、よろしいですか。
【北川座長】 座長、よろしいでしょうか。
【水口座長】 はい、お願いします。
【北川座長】 どうも皆さん、ありがとうございます。やっぱりソーシャルボンドに関しましては、ICMAの原則はあるんですが、非常にグリーンボンドみたいに詳細なものがグローバルで出てないなというところの中で、日本で先んじてそういうものを作成していこうじゃないかという非常に意欲的な試みだと思いました。私も座長をやらせていただいていますけれども、そういう方向に行っていますし、そういうことによっていろいろな主張ができるなと思っています。
それから、ICMAの原則というものをよく読みますと、いわゆる先進国に対しては先進諸国における問題点というのがあって、それについてもきちんとやっていく可能性とか義務があるということが盛られていまして、それをやっぱり日本が1つ提示する。もちろん日本独特のレジリエンスの問題とかいろいろありますけれども、それは大きなリードをする糧になるなと思います。
ですから、このガイドラインもやはり英語で発信し、やっていくと。先ほどのISOとの絡みでいいますと、やはりSの分野における1つのフレームワークを示すということと、あと、井口メンバーが言われたように、やはりいろいろな問題、評価の問題とかもありますけれども、あるいはサステナビリティウォッシュの問題もありますけれども、そこら辺まで含めて射程距離をきちんと取って、まとめ上げられればいいなと思っております。よろしくお願いいたします。
【水口座長】 ありがとうございます。北川先生、足達さんにもいろいろなところで御活躍いただいて、本当にお疲れさまでございます。ありがとうございます。
ほかにもし御質問等、御意見等あればいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
【吉高メンバー】 よろしいでしょうか。吉高でございます。
【水口座長】 お願いします。
【吉高メンバー】 北川先生、本当にこのたびはすばらしいガイドラインをお作りいただきまして、この先楽しみにしております。ありがとうございます。
私自身も、足達委員がおっしゃっていただいたようなことに大変関心を持っております。と申しますのは、私が途上国で排出権をつくる事業に携わっていたときに必ずあった要求事項が、その国のサステナビリティの方針に合致しているかということでした。排出権は、環境負荷低減に金銭価値をつけるというシステムだったわけですが、そこで必ずソーシャルな面、排出権を生む事業が、当時国のサステナビリティ方針と合致しているかが求められたわけです。つまり、気候変動とソーシャルな課題は分けて考えられることではないと思っており、それこそがまさにサステナブルファイナンスだと思っております。グリーン以外の資金使途でまとめられるということは、御苦心がおありになったと思います。例えば、資料の事例で、防災・減災、災害復興というのがございますが、これは、御存じのとおり、気候変動の適応分野に含まれており、グリーンと言えるところだとは思います。しかし、日本特有の状況を鑑みればグリーンとしてひとくくりに整理できるわけではありません。先進国のどの地域もスマートシティをめざすということではなく、少子高齢化や過疎化問題を抱える日本においてコンパクトシティに向けたファイナンスというのも意義があるかと思います。このような分野に、金融機関がお金を流していく可能性があることを示すという点でも、本ガイドラインがさらに発展していかれることを期待しております。どうもありがとうございます。
【水口座長】 ありがとうございます。ほかにいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
皆様、貴重な御意見をいただきまして、ありがとうございました。今いただいた御意見も踏まえて、ソーシャルボンド検討会議においてさらに検討していただくということになろうかと思います。北川先生には引き続きよろしくお願いをしたいと思います。
本日の議題は以上ということになります。冒頭にも申しましたが、1月に議論を始めて、8回を重ねてまいりました。こういう多様なメンバーの中でこういう議論ができたというのは非常に意義のあることだったなと思っています。特に金融庁においてサステナブルファイナンスの有識者会議をする、こういう時代が来たのかというのは、大変よいことだったなというふうにも思いますし、それだけ世の中が変わったということでもあるのかなというふうに思います。
今日議論の中にもありましたが、世の中の動きも大変速いということで、私たちもそれに遅れてはならない。しかし、世の中の動きが速いのには、速いなりの理由があるんだろうと。それはそれだけ世の中の危機も高まっているということで、危機感があるからこそ、海外も動いているんだというふうに思います。
そういう意味では、今回これで報告書案は取りまとめられたということになりますが、ここが出発点だろうと思っています。いろいろな方から御指摘をいただきましたように、この後いかにこれを実践していくかということが重要であろうと。金融庁の皆様にも、そして、この会に御参加いただきましたまさに有識者の皆様にも期待を申し上げるところでありまして、この実践はそれぞれの参加者の手に委ねられたと、このように考えております。報告書が出来て終わりではなくて、まさにこれを実践していくことがどのぐらいできるかというのがこれからの勝負ということになろうかと思いますので、私も含めて引き続き頑張っていきたいなと思うところであります。
それでは最後に、事務局と申しましょうか、金融庁からお話をいただきたいと思いますので、中島局長からお話をお願いいたします。
【中島総合政策局長】 総合政策局長の中島です。水口座長はじめ、メンバーの皆様には、毎回熱心に御議論いただきまして、本当にありがとうございました。
今回全部オンライン会議ということになりまして、特にこの会議、オンラインでやりますと、どうしても回線の不良で議事が途中で中断したりとか、議事進行そのものが本当に難易度が高かったのですが、水口座長の議事進行が本当にすばらしくて、メンバーの方々から本当に活発な意見が次から次へと毎回出てきまして、私自身、この会議を本当に楽しみに参加をさせていただきました。
このサステナブルファイナンス、今、水口座長から話がありましたように、今、本当に注目を集めておりまして、金融庁としても、実際のところ、去年、菅内閣が2050年カーボンニュートラル実現を表明したのを1つの契機として最優先課題、最重要課題の1つとしてまさに取り組んでおります。その中でどういう論点があるのか、どうしたらいいのか、まさにこの会議を通じて我々自身が今、勉強しているというのが実際のところだと思っています。
今回のこの報告書、金融庁だけじゃなくて、金融界、さらにはいろいろなところからの注目も高くて、非常に価値のあるものになったというふうに考えております。実際にも、1月、2月、この会議での議論を踏まえて、例えばTCFD開示についてはコーポレートガバナンス・コードの改訂を決めております。そのほかにも、例えば企業開示をこれからどうするのか、市場機能の関係をどうするのか、金融機関の対応をどうするのかといった、それぞれの提言についても一つ一つ、皆様から言われておりますように、スピード感を持って実践に移していくというふうに思っております。
さらに、本当にこの議論はこれで終わりではなくて、国際的にも動きがあります。今回、この報告書をまとめて、我々も一生懸命PRしようと思っております。皆様にもぜひあちこちでPRしてもらって、その反応を見て、またさらに議論を続けていくということが大事かと思っています。
引き続きメンバーの皆様にはいろいろな形で御指導いただく、御意見をいただくということになると思います。何とぞよろしくお願いいたします。本当にどうもありがとうございました。
【水口座長】 ありがとうございました。
以上をもちまして、今回のサステナブルファイナンス有識者会議は一段落ということになります。今回コロナ禍の中でオンラインの開催ということでいろいろ御不便もおかけしたかと思いますが、皆様に御協力をいただきまして、大変ありがとうございました。また、本日も含めて大変建設的で大変示唆に富む御意見を多数いただきました。本当に、有識者ってこういうものかと思うような、感心をしつつ、さすが有識者だということを思いながらお話を伺っておりました。大変拙い座長ではありましたけれども、皆様の御支援と御協力のおかげで何とかここまで来ることができました。私からも感謝を申し上げたいと思います。
それでは、本日の議論は以上で終了したいと思います。皆様、どうもお疲れさまでした。ありがとうございました。
―― 了 ――
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