令和2年2月28日
(令和6年6月28日更新)
金融庁
バイナリーオプション取引にあたってご注意ください!
注意すべきポイント
■ 友人やSNSを通じて「儲かる」と勧誘され、バイナリーオプション取引の分析ツールが入ったUSBなど高額な情報商材を購入し、勧められた海外無登録業者と取引したところ、多額の損失が発生したなどの相談が増加しています。
■ バイナリーオプションは、単純な取引に見えますが、専門知識や高度なリスク管理が求められる難しい金融取引です。「絶対勝てる」「確実に儲かる」「すぐ簡単に稼げる」などの勧誘をうのみにしないでください。
■ 金融商品取引法の登録を受けずに金融商品取引業を行うことは違法です。無登録業者との取引にはご注意ください。
I バイナリーオプションとは
バイナリーオプションは、為替相場や株価指数などを対象に、あらかじめ決められた時点、期間の騰落を予測し、ある値よりも高いか低いか、一定の範囲に収まっているかなど、二者択一で選ぶ取引です。
バイナリーオプションを購入する際にオプション料を支払い、一定時間後、その時点のレートがあらかじめ決めた条件を満たすかどうか判定されます。予測が当たると、一定の金額の払戻し(ペイアウト)を受け取り、払戻額とオプション料の差額が利益となります。予測が外れるとペイアウトがなく、支払ったオプション料が損失となります。
II バイナリーオプション取引のリスク
○ 複雑な理論的根拠に基づく金融取引
バイナリーオプションは、取引の仕組みが単純で、騰落を予想するだけの簡単な取引のように見えますが、実際は複雑な理論的根拠に基づく金融取引です。合理的な投資判断を行うためには、オプション取引に関する専門知識や高度なリスク管理が必要です。専門知識があっても、相場を正確に予測することは難しいうえ、一定時間後のレートをピンポイントで高い確度で予測することは非常に困難です。
○ 射幸性が高く、損失を被るおそれ
バイナリーオプションは、比較的少額で購入でき、取引における損失額はオプション料に限定されることから、一見、リスクの低い取引であると誤解を招きやすいうえ、安いオプション料に惹かれペイアウトを受け取る可能性が低い取引を選好し、短時間で損益結果が判明するために、安易に何度も取引を行ってしまうおそれがあります。そして、短期間に繰り返し取引した結果、多額の損失を被るおそれがあります。
III 無登録業者との取引にはご注意ください
バイナリーオプションは、金融商品取引法上の店頭デリバティブ取引に該当します。日本に居住する投資者に対してバイナリーオプション取引を業として行うときは、金融商品取引業の登録が必要です。たとえ海外で金融商品取引のライセンスを持つ業者であっても、日本で登録を受けずに日本に居住する者に対して金融商品取引を業として行うことは禁止されています。
無登録業者と取引した場合は、トラブルが生じても無登録業者への追及は極めて困難です。取引を始める前に、取引の相手が金融商品取引法の登録を受けている業者であることを必ず確認してください。
IV 信用できる金融商品取引業者と取引を行いましょう
金融商品取引法の登録を受けた業者と取引を行う場合であっても、その業者の信用力などを慎重に判断することが必要です。
金融商品取引業者は、金融商品取引法に基づき、業務及び財産の状況に関する事項を記載した説明書類をウェブサイト又は営業所に備え置く方法により開示していますので、業者を選定する際の参考にしてください。
バイナリーオプションは相対取引であることから、金融商品取引業者は、金融商品取引法等に基づき、公正な取引を行うために、バイナリーオプションに関するルールを定め、ルールに従って適切に取引を行うことが求められています。しかし、悪質な業者と取引した場合は、判定時のレートが投資者に不利になるように意図的に調整されるなど、不利益を被るおそれがあります。
業者の情報をできる限り収集・確認し、業者の信用力を慎重に見極めるとともに、取引の仕組みやリスクについて十分理解し、自己の資力、取引経験及び取引目的等に照らして適切であると判断する場合にのみ、自己の責任において取引を行うことが肝要です。
V このようなトラブルには特にご注意ください
大学生など20歳代を中心に、友人やSNSを通じて知り合った相手から、「必ず儲かる」などと勧められ、バイナリーオプション取引の投資分析ツールの入ったUSBメモリなど、高額な情報商材を購入した後に、海外無登録業者との取引に誘導され、取引を始めたが、「多額の損失が発生した」「業者と連絡が取れない」「解約できない」などのトラブルが急増しています。
安易な儲け話はありません。「絶対勝てる」「確実に儲かる」」「すぐ簡単に稼げる」などのセールストークをうのみにしないよう注意しましょう。
こうしたトラブルは、海外の無登録業者との間で発生するケースが多く見受けられ、無登録業者に関する相談も多数寄せられています。取引を始める前には、取引の相手が金融商品取引法上の登録を受けている業者であることを必ず確認してください。
無登録業者との取引を勧誘された場合には、金融庁金融サービス利用者相談室に情報提供をお願いします。また、バイナリーオプション取引に関する一般的なご意見、ご質問、情報提供についても受け付けております。個別のトラブルについて、あっせん、仲介、調停を行うことはできませんので予めご了承ください。
関係先リンク
金融サービス利用者相談室
「詐欺的な投資に関する相談ダイヤル」
受付時間:平日10時00分~17時00分(電話受付)
※ウェブサイトでは、24時間受付。
電話:0570-050588(IP電話からは03-6206-6066)
ウェブサイトでの受付:こちらをクリックしてください。
為替相場を対象とするバイナリーオプション取引などを行う金融商品取引業者の自主規制機関として、一般社団法人金融先物取引業協会が設立されています。協会では、加入する業者との間で生じたトラブルに関するご相談に応じているほか、争いを解決する手段としてあっせん制度を設けています(協会に加入する業者との間のあっせん業務については、特定非営利活動法人「証券・金融商品あっせん相談センター(FINMAC)」に委託しています。)。
このほか、国民生活センターや、住所地を管轄する消費生活センターでも相談を受け付けています。
関係先リンク
バイナリーオプション取引に関する留意点や注意喚起については、以下をご参照ください。
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個人向け通貨関連店頭バイナリーオプション取扱ルールの概要(金融先物取引業協会)
https://www.ffaj.or.jp/binaryoption/rules/ -
個人向け店頭バイナリーオプション取引を取扱う会員各社の取引概要等(金融先物取引業協会)
https://www.ffaj.or.jp/library/performance/binary_monthly/ -
海外に所在する無登録業者とのFX取引等にご注意ください!(関東財務局)
http://lfb.mof.go.jp/kantou/rizai/pagekthp032000222.html -
無登録業者とのバイナリーオプション取引は行わないで!(国民生活センター)
http://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20191024_1.html -
もうかると言われたのにもうからないバイナリーオプション取引(国民生活センター)
http://www.kokusen.go.jp/t_box/data/t_box-faq_qa2016_19.html -
海外業者とのバイナリーオプション取引にご注意ください!(国民生活センター)
http://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20140904_1.html -
儲かっているのに出金できない!?海外FX取引をめぐるトラブルにご注意-自動売買ソフト等を購入させ、海外FX取引に誘う手口-(国民生活センター)
http://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20140619_1.html