令和5年2月3日
金融庁
犯罪による収益の移転防止に関する法律施行令の一部を改正する政令案等の公表について
金融庁では、令和4年資金決済法等改正及びFATF勧告対応法に係る犯罪収益移転防止法関連の政令・施行規則案等を以下のとおり取りまとめましたので、公表します。
改正の概要
以下の2つの改正法における犯罪による収益の移転防止に関する法律(平成19年法律第22号。以下「犯罪収益移転防止法」という。)の改正について、関連する政令・施行規則等(注1)の規定の整備を行うものです。
- 「安定的かつ効率的な資金決済制度の構築を図るための資金決済に関する法律等の一部を改正する法律」(令和4年6月10日法律第61号。公布の日から起算して1年を超えない範囲内において政令で定める日から施行。以下「改正資金決済法」という。)
- 「国際的な不正資金等の移動等に対処するための国際連合安全保障理事会決議第千二百六十七号等を踏まえ我が国が実施する国際テロリストの財産の凍結等に関する特別措置法等の一部を改正する法律」(令和4年12月9日法律第97号。公布の日から起算して9月を超えない範囲内において政令で定める日から施行。以下「FATF勧告対応法」という。)
主な改正等の内容は以下のとおりです。
(1)改正資金決済法の施行に伴う犯罪による収益の移転防止に関する法律施行令の一部改正
- 高額電子移転可能型前払式支払手段発行者、電子決済手段等取引業者等が犯罪収益移転防止法上の特定事業者に追加されたことに伴い、これらの特定事業者の業務のうち、取引記録等の作成・保存義務等の対象となる業務(特定業務)及び取引時確認義務等の対象となる取引(特定取引)の要件を定める。
- 電子決済手段の移転に係る通知義務(トラベルルール(注2))の対象から除外する国又は地域の要件を定める。
- その他、所要の規定の整備を行う。
(2)FATF勧告対応法の施行に伴う犯罪による収益の移転防止に関する法律施行令の一部改正
- 暗号資産の移転に係る通知義務(トラベルルール(注2))の対象から除外する国又は地域の要件を定める。
- その他、所要の規定の整備を行う。
(3)改正資金決済法及びFATF勧告対応法の施行等に伴う犯罪による収益の移転防止に関する法律施行規則の一部改正
- 高額電子移転可能型前払式支払手段発行者、電子決済手段等取引業者等が犯罪収益移転防止法上の特定事業者に追加されたことに伴い、これらの特定事業者による取引時確認の方法や電子決済手段の換算基準を定める等の規定の整備を行う。
- 外国為替取引に係る通知義務に基づく通知事項に、支払の相手方に係る事項を追加したことに伴う規定の整備を行う。
- 電子決済手段及び暗号資産の移転に係る通知義務(トラベルルール(注2))に基づく通知事項を定める。
- 電子決済手段等取引業者及び暗号資産交換業者がアンホステッド・ウォレット等(注2)と取引を行う際の取引時確認等を的確に行うために講ずるべき措置について定める。
- 電子決済手段等取引業者及び暗号資産交換業者が移転に係る提携契約を締結する際の確認義務に基づく契約相手のマネロン対策状況の確認方法・基準について定める。
- その他、FATF第4次対日相互審査報告書を踏まえた所要の規定の整備等を行う。
(4)犯罪による収益の移転防止に関する法律施行令第十七条の二及び第十七条の三の規定に基づき国又は地域を指定する件の制定
上記(1)2.及び(2)1.について、犯罪収益移転防止法第10条の3及び第10条の5の規定に相当する外国の法令の規定による通知の義務が定められていない国又は地域を指定する。
(5)事務ガイドライン(第三分冊:金融会社関係)の一部改正等
- 高額電子移転可能型前払式支払手段発行者、電子決済手段等取引業者が犯罪収益移転防止法上の特定事業者に追加されたことに伴い、これらの特定事業者による取引時確認等の措置を含む所要の規定の整備等を行う。
- トラベルルール、アンホステッド・ウォレット等との取引のリスクに応じた態勢整備義務等に関する所要の規定の整備等を行う。
(6)犯罪収益移転防止法に関する留意事項の一部改正
金融庁所管の金融機関等が、取引時確認において「取引を行う目的」を確認する際の参考とすべき「類型」に「信託の受託者としての取引」を追加する。
(注1)改正資金決済法のうち、今回公表する部分(犯罪収益移転防止法関係)以外に関する政令・内閣府令等の案については、公表済みであり、意見募集は終了しております。
(注2)トラベルルール、アンホステッド・ウォレット等に関してはこちらをご参照ください。
施行期日等
本パブリックコメント終了後、所要の手続を経て公布、施行等の予定です。
この案について御意見がありましたら、令和5年3月5日(日曜)19時00分(必着)までに、氏名(法人その他の団体にあっては名称)、職業(法人その他の団体にあっては業種)、連絡先(住所、電話番号又は電子メールアドレス)及び理由を付記の上、郵便により下記送付先にお寄せください。電話による御意見は御遠慮願います。
インターネットによる御意見は、下記e-Gov ウェブサイトにお寄せください。
御意見をお寄せいただいた方の氏名(法人その他の団体にあっては名称)については、開示の請求等があった場合には、御意見の内容とともに開示させていただきますので、御承知おきください。開示の際に匿名を希望される場合は、御意見の冒頭にその旨を明確に御記載ください。なお、開示に当たっては、御意見の内容に、
(1)個人に関する情報であって特定の個人が識別され得る記述がある場合、又は
(2)法人等の権利、競争上の地位その他正当な利益を侵害するおそれのある記述がある場合、
には当該箇所を伏せさせていただくことがあります。
御意見に付記された電話番号等の個人情報は、御意見の内容に不明な点があった際に連絡・確認をさせていただく場合や御意見がどのような立場からのものかを確認させていただく場合に利用します。
なお、御意見に対しての個別の回答はいたしませんので、あらかじめ御了承ください。
御意見の送付先
金融庁企画市場局総務課調査室
郵 便 : 〒100-8967
東京都千代田区霞が関3ー2ー1 中央合同庁舎第7号館
URL : https://www.fsa.go.jp/
御意見の募集は終了しました。御協力ありがとうございました。
お問い合わせ先
金融庁 Tel:03-3506-6000(代表)
(別紙1)企画市場局総務課信用制度参事官室(内線3985)
(別紙2~4、8)企画市場局総務課調査室(内線3514)
(別紙5~7)総合政策局フィンテック参事官室(内線2922)
【施行規則】
【事務ガイドライン等】
(別紙5)事務ガイドライン(第三分冊:金融会社関係 5 前払式支払手段発行者関係)の一部改正(案)
(別紙6)事務ガイドライン(第三分冊:金融会社関係 16 暗号資産交換業者関係)の一部改正(案)
(別紙7)事務ガイドライン(第三分冊:金融会社関係 17 電子決済手段等取引業者関係)(案)【新設】 ※「II-2-1-2 取引時確認等の措置」部分