平成17年12月5日
金融庁

自己資本比率規制の一部改正に関する告示案に対するパブリック・コメントの結果について

金融庁では、銀行及び銀行持株会社に関する自己資本比率規制における繰延税金資産の算入の適正化に伴う所要の変更について、平成17年9月22日(木)から10月21日(金)にかけて改正案を公表し、広く意見の募集を行いました。

その結果、4件のコメントをいただきました。改正案の検討にご協力いただきありがとうございました。

本件に関してお寄せいただいたコメントの概要及びそれに対する金融庁の考え方は以下のとおりです。

【本件についての照会先】

電話 03-3506-6000(代表)
金融庁監督局総務課バーゼル II 推進室(内線3798)


「自己資本比率規制の一部改正に関する告示案の公表について」への意見一覧

番号 意見の概要 回答
今回の規制については、銀行の自己資本比率規制における繰延税金資産の算入制限に限られ、貸借対照表に計上されるべき繰延税金資産については、日本公認会計士協会の監査委員会報告第66号に述べられている会社区分に従った将来課税所得の見積り等により回収可能性を評価した金額とするのか。 今回の規制案については、銀行監督の観点から自己資本比率規制における繰延税金資産の算入を制限するものであり、企業会計上の繰延税金資産の見積り等に関して規制を行うものではありません。
貸借対照表に計上されるべき繰延税金資産については、御指摘のとおり、一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に従い計上されるものと考えられます。
告示改正案第4条第7項に、「繰延税金資産の純額(繰延税金資産から繰延税金負債を控除したものをいう。・・・)」とあるが、ここでいう「繰延税金負債」には、「土地の再評価にかかる繰延税金負債」が含まれないとの理解でよいか。 「土地の再評価にかかる繰延税金負債」については、「繰延税金負債」とは別の勘定科目として計上されていることから、御指摘のとおり、「繰延税金負債」に含めないことが適当と考えます。
告示改正案第4条第7項(第14条第8項、第23条第3項、第30条第3項)の規定に基づく繰延税金資産の基本的項目への算入に関しては、以下の方法により計算することでよいか。
(計算方法・計算例)

(1)基本的項目(含、繰延税金資産の純額)を用いて、繰延税金資産の算入可能額を計算する。

(2)繰延税金資産の純額が算入可能額を超過している額を計算する。

(3)当該超過している額を基本的項目(含、繰延税金資産の純額)から控除する。

御指摘の「計算方法・計算例」のとおりで差し支えないと考えます。
単体自己資本比率算定に際し、告示改正案第14条第8項および現行告示第14条第3項の規定は、以下の方法により計算することでよいか。
(計算方法)

(1)海外特別目的会社の発行する優先出資証券について25%を限度として算入した基本的項目を算出する(従来同様)。

(2)(1)で算出した基本的項目に対し、今回定められた割合に基づき超過している繰延税金資産を控除する。

(3)(2)で算出した繰延税金資産を控除した後の基本的項目に関し、海外特別目的会社の発行する優先出資証券の算入額が25%となるように再度調整し、基本的項目の額を確定する。

海外特別目的会社の発行する優先出資証券の基本的項目の算入については、告示案第14条第3項において既に25%を算入限度とする規制が適用されている(御指摘の「(計算方法)」では(1)に該当)以上、繰延税金資産に相当する額を控除した後の再度の調整(同(3)に該当)は不要であると考えます。

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