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鈴木財務大臣兼内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要

(令和5年9月29日(金曜)11時46分~12時06分)
 

【冒頭発言】

インボイス関係閣僚会議について申し上げます。先程、総理も出席をして、インボイス制度円滑実施推進に関する関係閣僚会議、第1回目ですが、開催されました。
会議の中で、総理からは、事業者の不安解消や必要な支援の実施に政府一丸となって取り組むように、との指示がありました。
来月からインボイス制度が開始されますが、これまで講じてきた様々な対応策について広報に努めるとともに、閣僚会議等を通じて課題の把握に努め、国民の皆さんの理解を得ながら、円滑な実施に万全を期していきたいと、そのように考えております。

【質疑応答】

問)

損害保険会社のカルテル疑惑についてです。本日が報告徴求命令の期限になっているかと思いますが、かなり大規模に事前調整を行っていたという報道も出ているかと思います。金融庁としてこれまでどういった事実を把握し、今後どういった視点で調査を行っていく方針か教えていただければと思います。

答)

ご指摘のとおり、大手損害保険会社の保険料の調整行為については、本日29日金曜日、各社から報告を受ける予定としております。
そして、これまでに把握をした事実ということにつきましては、現時点ではまだ報告書を受け取っておらず、また、今後、報告内容を精査いたしまして、各社に対するヒアリング等を通じて詳細を確認する必要があるために、これまで把握した事実ということについてはコメントを控えたいと思います。
そして、どういった視点で調査を行うのかというご質問でございますが、保険料の調整行為がどの程度広がっていたのかを確認するとともに、例えば、当該行為が違法・不適切であることを認識しつつ故意に行われたのか、当該行為が現場の営業担当者個人の判断で行われたのか、それとも上司も関わっていたのか、経営管理態勢や業務運営態勢が適切に整備されていたかといったような点に着目して、実態把握や真因分析を進めてまいりたいと考えております。
いずれにいたしましても、保険会社において、独占禁止法を含む法令遵守態勢を整備するとともに、保険契約者等の保護を適切に図ることが必要であることから、こうした観点から問題が認められた場合には、法令に基づいて厳正に対応してまいりたいと考えております。

問)

今のところで追加で聞きたいんですけれども、立入調査というのは検討されているのかどうか教えていただければと思います。

答)

立入検査ということでございますが、現時点で立入検査の実施というものを決定したわけではありません。
金融庁といたしましては、本日各社から報告書を受ける、受領する予定としておりますので、まずはその報告内容を精査した上で、今後につきましては、その上での適切な対応を検討していきたいと思っております。

問)

インボイスについて改めて確認なんですけれども、小規模な事業者から増税だという声が上がっていますが、税収を増やす目的ではないという理解でよろしいでしょうか。

答)

国会等でもたびたび答弁しておりますが、複数税率下における適正な課税を行うために必要な制度であって、多くの国々において実際にそれが採用されているということであると、そのように思います。
そういうことで、これは法律で決まっている事項でありますので、法定に沿いまして10月1日から実施をしていきたいと。その上で、先程も冒頭申し上げましたけれども、一部の中小・小規模事業者の皆様方が抱えておられます不安などに対しては、丁寧に対応していく必要があると考えております。

問)

税収を増やす目的ではないということでしょうか。

答)

そうです。

問)

インボイスの関係閣僚会議についてお尋ねいたします。今日、大臣が司会をされるような形で全てフルオープンで開かれましたが、総理出席の閣僚会議と違い、あまり例のないことだと思いますが、このねらいについてお聞かせ願えればと思います。

答)

ねらいということについては、インボイスが始まる時期が近づいておりまして、社会的な関心も高まっている中でこうした会議が開かれるということで、その内容について、総合的な観点からフルオープンで実施をさせていただいたということだと思います。私が決定したことではないので推測の域ですけれども、そう思っております。

問)

引き続きインボイスの件なんですけれども、今、ご発言の中でも小規模事業者などから不安の声がというところがありましたけれども、制度開始を目前とした中で、どういう懸念が大きいのではないかと大臣が感じていらっしゃるのかということが1点と、あとは経済対策でも必要な支援をという指示があったと思うんですけれども、具体策はこれからだと思うんですが、どのような政策目的や方向性の対策が必要だと考えていらっしゃるのか、その2点をお伺いできたらなと思います。

答)

まず2点目の方からお話をいたしますと、総理からは、今後取りまとめられる経済対策において必要な対策を盛り込むというような発言がございました。政府一丸となって事業者の抱える不安を解消するとともに、これを取引環境の改善、取引のデジタル化や自動処理の推進につなげるよう、今後取りまとめる経済対策に支援策を盛り込み、必要な支援を実施するよう指示があったところです。経済対策そのものがまだ検討途中でございますので、今、具体的にインボイスに関わる措置がどうなるかということは、まだ何も今の段階では決まっていないということでございます。
それから、事業者の方々が抱えるいろいろな不安ということは多岐にわたっていると思いますが、課税事業者にならないことによって取引から締め出されるのではないかとか、あるいは値引きを迫られるとか、そういうようないろいろな不安があると思います。しかし、今、そういうことに対しましても、公正取引委員会でかなりフォローをしておりまして、こういうことになったら公取法の違反になりますよというようなことも具体的に注意喚起するとか、そういうような不安が現実のものとして起こらないような対応もやっていると、こういうことだと思います。

問)

インボイスについて引き続きなんですけれども、反対する人の中には物価高が今大変なのに何でこの時期にやるんだという声もあると思うんですが、この声にはどう対応されるでしょうか。

答)

インボイスに対するいろいろなお声というものは、今までも国会審議等も通じて、また様々な申入れ等も通じて把握をしているところであります。
先程申し上げましたとおり、インボイス制度そのものは、複数税率の下で適切な課税を行うということで、これは必要な措置であるわけでありまして、そういうことを前提に法律で定められ、今年10月1日から始まると、こういうふうになっているわけでございます。
そういうことで、今の物価高、物価高騰の中でというようなお話ですが、物価高の高騰対策というのは、これは政府としても大変重要な課題でありますから、先に行われました燃料油の激変緩和措置を延長するとか、様々、これはこれでやってまいります。しかし、インボイス制度の導入ということは、先程申し上げました複数税率の下で必要な措置でありますので、これはこれで行っていくと、こういう考えであります。

問)

インボイスの閣僚会議についてなんですが、今後の開催頻度であったり、次回の会合の日程が決まっていたらお教えください。

答)

次回の開催の時期につきましてはまだ決まっておりません。制度を実施してみて、その状況を踏まえて、適切な時期に開催したいと思っております。

問)

頻度についてはいかがでしょうか。

答)

これも必要に応じて、必要なときに行いたいと思います。

問)

金融担当大臣としての大臣に伺います。今週の新しい資本主義実現会議でも、改めて、総理から資産運用立国について年内のプラン策定という指示がありました。今後、いよいよ本格的に検討が始まっていく、進んでいくと思うんですけれども、今後どのようなふうに検討されていくかというところを改めて伺えますか。

答)

ご指摘のように、27日水曜日でしたが、新しい資本主義実現会議におきまして、岸田総理から、私を中心に資産運用立国の実現に向けた政策プラン、これを年内に策定するようにという指示がありました。
成長と分配の好循環を実現していくためには、家計金融資産などの運用を担う資産運用業と、それからアセットオーナーシップの改革を実施し、その運用力の向上やガバナンスの改善を図っていく必要があると考えます。
併せまして、資産運用業への新規参入と競争を促進すべく、日本独自のビジネス慣行、これも是正をする、あるいは新規参入支援の拡充を図る、こういうことも必要であると思っています。
このために、近々、新しい資本主義実現会議の下に設置されます資産運用立国分科会におきましては、金融担当大臣が中心となり検討を進めてまいりたいと考えています。
また、施策の中には金融制度の検討を要するものもありますので、別途、金融庁の金融審議会の下にも資産運用に関するタスクフォースを設置することといたしまして、初回の会合を10月3日に行いたいと、そのように思っております。
資産運用立国の実現、そのための政策プランの策定に向けまして、有識者や関係省庁と連携をして、具体的な施策の検討を進めてまいりたいと思っております。

問)

10月3日の初回会合は実現会議の下の分科会の初回ですか。

答)

いえ、これは金融制度に関わる部分もありますので、金融庁の金融審議会の下での資産運用に関するタスクフォース、これの第1回目の会合です。

問)

実現会議の分科会の方は、こちらはどのような構成員が想定されるかというのもちょっと教えていただけますか。

答)

分科会につきましては、開催日、それから委員につきましては、分科会を主催する内閣官房より、決まり次第お知らせがあるということであります。

問)

関連で、資産運用特区のことについても伺います。資産運用特区を総理が演説で創設を表明されて、具体的に今、国内でも4か所ほど金融都市センターとしての政策を推進している自治体があり、そういうところが有力視されると思うんですが、こういった4か所の候補地というのが特区の具体的な候補地としてなり得るのか、あとは特区を決めるというところも、年末までに決まっていくかというところも教えていただけますか。

答)

先週、総理がニューヨークで表明をしたわけでありますけれども、海外の資産運用会社の日本市場参入を促すための資産運用業におけるビジネス・生活環境を重点的に整備する資産運用特区を創設したいと思っております。
具体的な施策につきましては、様々な方のご意見を拝聴しながら、関係省庁と連携をし検討を深めていきたいと、そのように思いますが、例えば、金融当局との手続の英語対応や簡素化といった規制緩和、それから、地方自治体と連携して金融サービスの充実や英語などによる教育・公的サービスの提供を行うなど、幅広い観点から施策を行っていきたいと考えております。
なお、ご質問にもございましたが、特区を設ける地域につきましては、現時点では決まっておりません。今後、意欲のある自治体と連携をして、特区創設に向けて取り組んでいきたいと、そのように考えます。

問)

為替のことについてです。いよいよ為替相場が1ドル150円台目前という状況にあり、政府の為替介入への警戒感というのが市場でも高まっております。この150円というところが為替介入の何か目安となるような、節目というふうなところがあるのかというのと、為替介入への準備という点についてお願いします。

答)

従来から申し上げていますとおり、何かいわゆる皆様方が表現されております防衛ラインみたいなのがあって、それを越えたらどうするこうするということはありません。
常に申しておりますように、変動というものに着目をしております。そういう意味において、今の状況は、大分円安にちょっと進んでいる感がございますが、いずれにいたしましても、我々といたしましては、強い緊張感を持っております。この急激な変動につきましては、あらゆることを排除することなしに適切な対応をしていくという従来の姿勢には変わりありません。緊張感を持って市場の動向を見ているところです。

問)

インボイスの話に戻るんですけれども、先程不安が多岐にわたると。公取委の対応などのご紹介もいただきましたが、例えば、農業だと自分で価格を決められない方々もいらっしゃいます。例えば、牛の競りにおいては課税事業者、免税事業者の表示がされまして、それで入札をされるので、それによって免税事業者だと買いたたかれるのではないかという不安を抱えていらっしゃる方もいます。数は多くないとしても、そうした農業の方とか様々な不安を抱えている方がいらっしゃいますけれども、そういった方々も支援策の対象になるんでしょうか。

答)

支援策の対象にはもちろんなります。そういう中において、今、例示を挙げられましたけれども、私どもとしてもなるべく個々の状況というものにもしっかり目配せしないと、そうした対応が漏れてしまう可能性がありますので、十分幅広くいろいろなご意見を聞きながら、今ある対応策等についても採用していただけるものについては採用していただけるような、そういうような周知・広報をさらに徹底していきたいと思います。
政府といたしましても、今まで予算面、それからIT補助金とか、これは事務の方の話ですが、様々メニューをつくって今日まで至っておりますので、そういうものをまだ十分に活用するほど分かっておられない方もおります。もちろんかなり使われている部分も多いわけですけれども。そういう方々に対する広報というものは、しっかりやっていかなくてはいけないんだと思います。

(以上)

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