鈴木財務大臣兼内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要
(令和5年6月20日(火曜)9時37分~9時46分)
【質疑応答】
- 問)
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政府が閣議決定した少子化対策に関して伺います。児童手当の拡充に伴って、大臣は5月の会見で、歳出と税制の在り方を総合的に考える中で、扶養控除との関係を整理する必要があると述べました。仮に扶養控除をなくした場合、世帯年収によってはかえって収入が減る場合があり、子育て中の親とか子育て支援の団体などから批判や疑問の声が高まっています。改めて扶養控除を見直す必要について大臣の考えをお聞かせください。
- 答)
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ご指摘のとおり、5月の会見でもご質問があったと思いますが、これまで申し上げたとおり、児童手当を充実する際には、これまでの児童手当をめぐる制度改正の経緯もありますので、歳出と税制の在り方を総合的に考える中で、扶養控除との関係をどう考えるか整理する必要があると、そのような問題意識を持っているところであります。
これについては、先日、6月13日に決定されましたこども未来戦略方針において、児童手当の支給期間について高校生年代まで延長する、その際、中学生までの取扱いとのバランス等を踏まえ、高校生の扶養控除との関係をどう考えるか整理すると書かれているところであります。
また、この扶養控除に係る論点につきましては、少子化対策の財源確保のために行うものではなく、方針におきましても子ども・子育て関連予算の充実のための財源確保を目的とした増税は行わないと書かれているところであります。
ご質問にありました扶養控除との関係をどう考えるか整理するという点につきましては、ただ今申し上げた方針を踏まえまして、今後の税制改正プロセスの中で検討がなされていくものと考えておりまして、現時点で扶養控除を見直すかどうか、見直すとしてどのように見直すか、また、それによってどのような影響が及ぶのかについて、今の段階でお答えすることは困難であるということをご理解いただければと、このように思うわけでございます。
いずれにしましても、今まで中学生まで支給をしてきて、そこで給付と控除のバランスというものが制度として定着している、今度は高校生まで延ばす、この高校生まで延ばす分をどう考えるかと、こういうことなんだと理解をしております。
- 問)
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確認ですが、見直すかどうかというところはまだ結論が出ていないという理解でよろしいですか。
- 答)
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そのとおりです。こども未来戦略方針に書かれたとおり、そのまま受け取っていただければいいんだと思います。
- 問)
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先週、米国の方で為替に関する報告書が出まして、日本が為替監視国、モニタリングの対象から外れるということになりましたけれども、改めましてこの決定が今後の日本の為替政策、介入を含めた対応について影響を及ぼすのか否か、足元の円安等を含めてご回答をお願いします。
- 答)
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今回、為替報告書におきまして、日本が監視リストから除外されたということは承知をしております。
これは、対米貿易黒字、それから経常黒字、為替介入実績、この3つの点について、米国政府が一定の基準値に照らして機械的に評価をした結果でありまして、これまでの当局間の緊密な意思疎通も反映したものと理解をいたしております。
為替政策につきましては、今後とも、米国を含む各国通貨当局と緊密な意思疎通を図りつつ、必要であれば適切に対応していく考えであるわけでございます。
これは毎年出されている報告書でございますが、今回リストから外れたということが、直ちに何か今までと違う対応を日本としてするとか、何か影響があるとか、そういうことはないと考えております。
為替の水準につきましては、これはいつもお答えしているとおり、私の立場からはコメントしないと、こういうことであります。為替の水準、ドル円の水準につきましては、あくまで市場において決定される、ファンダメンタルズに基づいて決定をされると、こういうことでありますので、安定的に推移することが望ましいという、そういう基本的な考えはありますが、引き続き、日々、為替の動向については注目している、注視しているというところであります。
- 問)
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今国会が明日会期末を迎える予定であります。それについて関連してお伺いしたいと思います。まだ審議中の金融サービス提供法改正案と金融商品取引法の改正案の2法案の成立の見通しを伺えますでしょうか。また、それぞれ金融経済教育推進機構の設置や四半期報告書の廃止を盛り込んでいますけれども、法案が成立しなかった場合の影響を伺えますでしょうか。
- 答)
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国会の運営については国会で決められるわけでありますが、ご指摘のとおり、今国会において、金融庁の2法案については審議を見込める状態にはなっておりません。審議できないということで、これは非常に残念に思います。
私共としては、この金融庁の2法案は重要な法案だと考えておりまして、貯蓄から投資へのシフトを進め、成長と資産所得の好循環を生み出していく上で重要なものであります。
いずれにいたしましても、今国会での成立ができない状況でございますが、秋にあるかないか分かりませんけれども、次の国会において早期の成立、施行に向けまして、引き続き、できる限り速やかにこれが進みますように、国会でのご審議をお願いしたいと、そのように思っております。
- 問)
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今国会で成立しなかった場合の影響はどうお考えでしょうか。
- 答)
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事前にいろいろ準備できるところは、事前に準備したいと思います。法律ができていないわけでありますけれども、法律を次の臨時国会で成立させていただきたいという希望も持ちながら、事前に前広に準備できるところは準備していきたいと。そして成立すれば順調にそれが施行に移ると、そういうようなことはしたいと思います。
(以上)