鈴木財務大臣兼内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要
(令和5年4月7日(金曜)8時46分~8時53分)
【質疑応答】
- 問)
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こども予算倍増の財源について、自民党内で増税を否定して歳出改革だとか社会保険料を候補に挙げる声が出ているんですが、歳出改革はすでに防衛費増額の財源として、しかも結構厳しいということでもありますけれども、こども予算に割ける余地というのはあるんでしょうか。大臣のご見解をお願いします。
- 答)
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いつも答えているとおりでありますけれども、こども・子育て政策につきましては、3月31日に小倉大臣からたたき台が示されました。
今後、このたたき台を踏まえまして、必要な政策強化の内容、予算、財源について、総理のもとで更に具体的な検討を深めて、6月の骨太の方針までに、将来的なこども・子育て予算倍増に向けた大枠を提示していくものと承知しております。
その上で申し上げますと、恒久的な施策には、恒久的な財源が必要であって、こども政策を強力に進めていくために必要な安定財源については、国民各層の理解を得ながら、社会全体での負担の在り方を含めて、幅広く検討を進めていくことが重要と考えます。
茂木幹事長からは、歳出削減や社会保険料について言及があったものと、そのように承知していますが、具体的な財源につきましては、まさに今後、検討を深めていくべきものであると理解をしております。
いずれにせよ、財源を検討する際には、政策強化の内容に応じまして、様々な社会保険との関係、国と地方との役割分担なども踏まえまして、丁寧に検討を進めていくことが重要であると、そのように考えています。
- 問)
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東証の市場再編をやって1年がたったタイミングです。資産所得倍増のプランの中でも、要は成長投資を回しやすいような環境をどうつくるかというのが論点だと思うんですけれども、PBRの1倍割れの企業とかいろいろ課題も多いかと思うんです。金融庁として何が不足していて、どういう対応ができるか、課題など大臣のご所見を伺います。
- 答)
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PBRの1倍割れの企業の割合というのは、アメリカですと上位企業500社のうち5%、欧州は上位企業600社のうち24%、それに比して日本は、上位企業500社のうち43%になるということで、この割合は高いというような認識をしております。
基本的に、上場会社の企業価値の向上、これは我が国経済の持続的な成長を実現する上で大変重要であり、これを後押しする改革に継続的に取り組んでいく必要があると考えています。
その中で、東証は,昨年4月の市場区分の見直し以降もフォローアップに取り組み、プライム市場等の上場維持基準を満たしていない上場会社に対する経過措置について適用期限を明確に定めるとともに、上場会社に対して、資本コストや株価を意識し、収益性の向上に向けた計画を策定・公表することを求めるなどの施策を講じておりまして、上場会社の意識改革が進展していくことを期待しています。
金融庁の立場から申し上げますと、金融庁としても、上場会社の中長期的な企業価値の向上に向けて、コーポレートガバナンス改革に精力的に取り組んでおります。
昨年の秋以降、日本のコーポレートガバナンス改革を加速し、さらに強化する観点から、海外投資家等からの意見聴取を進めてきたところでございます。今月中にも、上場会社の自律的な意識改革等を促進するアクションプログラムを策定したいと、そのように考えています。
- 問)
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日銀新総裁の人事、閣議で決まりましたけれども、大臣としてご所見をお願いできますでしょうか。
- 答)
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先程の閣議で、植田さんが日銀の新総裁ということで閣議で承認をされたところでございます。
日銀につきましては、引き続き、政府との連携のもとに、経済・物価・金融情勢を踏まえつつ、適切な金融政策運営を行っていただくということを期待したいと思います。
- 問)
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その関連で黒田さんが退任されますけれども、この10年で日銀の大規模緩和についてどのように評価されるのかについて改めてお伺いしたいと思います。
- 答)
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何回かお答えもしておりますけれども、政府と日銀は、デフレ脱却と持続的な経済成長の実現のため共同声明を公表し、互いに連携し、それぞれの責任において必要な施策を実施してまいりました。
このうち金融政策については、日銀が定めた物価安定目標の実現を目指して金融緩和を推進してきたと理解をしております。
こうした政府と日銀の取組の結果、デフレではないという状況をつくり出すとともに、GDPはコロナ前時点において名目・実質ともに過去最高水準になったほか、企業収益が高まり、雇用環境が改善するなど、大きな成果を上げてきたと認識をしております。
黒田総裁、10年間総裁を務められたわけでありまして、私からも改めてこの間の総裁としての活動に慰労を申し上げたいと、そのように思います。
(以上)