鈴木財務大臣兼内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要
(令和4年9月9日(金曜)11時31分~11時46分)
【質疑応答】
- 問)
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先程、物価対策本部が開催されまして、そこで非課税世帯の5万円給付等が表明されました。財政的にも大きな負担になるとは思うんですけれども、いわゆる物価対策と財政健全化の両立という観点で大臣のご認識をお願いいたします。
- 答)
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先程、官邸で開催されました物価・賃金・生活総合対策本部におきまして、食料品、それからエネルギー等の価格上昇から国民の生活を守るための追加策が取りまとめられました。今般の追加策によりまして、物価高騰をはじめとする経済への対応に、引き続き機動的にかつ切れ目なく対応していきたいと思います。
今般の追加策を国民の皆さんに迅速にお届けするため、今月下旬には新型コロナ対策などと併せて、3兆円半ばのコロナ・物価予備費を措置する予定であります。ご質問にありましたとおり、今般の追加策によって財政負担が生じる、これはもうそのとおりでございます。経済あっての財政であるということ、これは総理もこれまでたびたび述べているところでありますが、まずは足元の喫緊の課題であります新型コロナや物価高騰等に対して、必要な財政出動、これは躊躇なく機動的に行って、切れ目のない対応をしてまいりたいと思います。
一方におきまして、ご指摘のように、日本の財政が依然として厳しい状況にある中で、財政規律が緩んだと言われることがありませんように、経済・財政一体改革を着実に推進して、経済再生と財政健全化の両立を図ってまいりたいと考えております。
- 問)
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為替について伺います。昨日三者会合におきまして、今のところドル円は143円台に戻ってきておりますが、その受け止めと為替市場の現状に対する評価をお願いいたします。
- 答)
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為替相場についてたびたびご質問をいただくわけでありますけれども、繰り返し申し上げていますとおり、為替相場、これはもうファンダメンタルズに沿って安定的に推移すること、これが重要であって、急速な変動は望ましくないと思っております。
最近の為替市場は、こうしたファンダメンタルズに沿っての推移というよりも、それに加えてといったほうがいいのでしょうか、投機的な動きが背景になって急速で一方的な動きが見られると、こういうふうに思うわけでありまして、過度な変動に憂慮いたしております。
政府として、為替市場の動向を高い緊張感を持って注視いたします。そして、このような動きが継続する場合には、あらゆる手段、措置を排除せずに、為替市場において必要な対応を取りたい、そのように思っております。
- 問)
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物価対策のところでガソリン補助金のことについてお尋ねします。この補助金、9月末から年末まで延長するという方針が出ましたけれども、一方で段階的に縮小するという方針も検討されてきたかと思います。車を持っている人が持っていない人の分を負担するとか、そういう論点もあると思うんですけれど、出口戦略は依然として示されないままかと思います。大臣の考えを伺えますでしょうか。
- 答)
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先程申し上げた本部におきましては、燃料油に対する激変緩和事業につきましては、引き続き原油価格高騰が経済回復等に悪影響を及ぼすことがないように、本年12月末まで価格抑制を継続することとしたところでございます。
その上で、この補助上限の在り方については、原油価格の動向を見極めながら引き続き検討するということとなっております。
そして出口戦略ということでございますが、今後の事業の在り方につきましては、原油価格の動向、これがそもそも時限的・緊急避難的な事業であるといった趣旨、そしてまた地方創生臨時交付金等による物価高騰対策の実施状況、そういうものも踏まえながら検討していくことになるんだと、そういうふうに思います。
- 問)
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昨日総理のほうから総合経済対策の策定についての考えが表明されました。最初の質問、物価対策とも若干重なる部分はあるんですけれども、やはりここで総合対策、それに伴う裏づけとなる補正予算の編成となりますと、また再び財政の膨張ということに関する、同じことですけど財政健全化との両立ということが、特に補正予算については参院選の前から10兆であるとか、自民党内で10兆円の規模が必要だということもありましたけれども、改めまして規模感、また財政健全化とのその両立ということについて、現在大臣の見解をお伺いできればと思います。
- 答)
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まず、総理から昨日記者会見で発表がありましたとおり、10月中の総合経済対策の取りまとめを受けて、今後、与党とも連携しながら検討を進めていきたいというご発言がございました。そして、この経済対策を取りまとめた後に、その内容を踏まえて、しかるべき時期に補正予算の編成についても検討していくということになるんだと思います。
そして今のご指摘でございますが、新型コロナや物価高騰を乗り越えて経済をしっかり建て直していくこと、これはもう重要なことでありますし、かつまた財政健全化に向けて取り組んでいく、この2つはしっかりやっていくということ、これは従来からの方針であって、変わることはない、そういうふうに思っております。
そしてこれまでの新型コロナ対応や累次の補正予算の編成におきまして、足元の財政事情、これがより一層厳しさを増しているということでございまして、財政規律はしっかりと守っていかなければならないんだと、そういうふうに思っております。
いずれにいたしましても、今後の経済対策の取りまとめ、それに基づく補正予算ということにつながっていくんだと思いますので、その予算規模等につきましては、いずれ今後の検討によって決まっていくということだと思います。
- 問)
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総合経済対策に関連してですけれども、今日は物価高対策ということで、予備費の支出3兆円超が決まったところで、これから使うと思うんですけれども、来月総合経済対策の中身として、中身はこれからだとは思うんですけど、どういったものを想定して検討していくのか、今時点の大臣の考えをお聞かせください。
- 答)
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中身については、まさにこれからだと思います。原油価格、これもまた今後動きはあるかもしれませんけれども、ウクライナ侵攻前の水準にちょっと下がってきていると、これは世界の景気の動向をにらんで需要が減るんじゃないかということが背景にあるんだと思います。そうした動きがございますので、そうしたこともしっかり踏まえながら、今後経済対策をしっかり考えていく、そしてそれに基づき、必要があれば補正予算を組んでいくということになるということであって、今ここで具体的に私のほうから、これとこれとこれが課題であるということは、まだそこまで申し上げる段階ではありません。
- 問)
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先程のガソリン補助金のところで追加でお伺いしたいんですけれども、先程大臣おっしゃっていたように、物価の価格が高騰しているとはいえ、高止まりしているというか、どんどん上がっているという状況ではないかと思うんですけれども、今後今日の物価高対策でも示したように、物価動向を見極めながらというときには、どういうときに価格の見直しだとか補助金の引下げとか、そういった出口戦略を考える状況になるというふうにお考えなのか教えてください。
- 答)
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今後、関係省庁、つまりこれは経済産業省のほうで具体化していくことになる、そういうふうに思います。先程申し上げましたとおり、この措置は、そもそも時限的・緊急避難的な事業であるということ、それから地方創生臨時交付金等による物価高騰対策の実施状況はどうなのか、地域によって物価への影響というのは異なっておりますので、それがどういうふうに対応できていくのか、そういうことも踏まえながら経済産業省のほうで、今後のこの制度を考えていくということであります。
先程申し上げましたとおり、今日の段階では12月まで継続するということを決めて、その中身については今後様々な動向をにらみながら決めていくということであります。
- 問)
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時限的であって、激変緩和というのがもともとの趣旨であったと思うんですけれども、結果的にどんどん延長されていて、それが1年近く経とうという段階になっていると思うんですけども、そうするとなかなか利用者というかガソリンを主に使われている方も、それが当たり前というになってきてしまってなかなかやめられない、これも前々から指摘があったかと思うんですけどなかなかやめられない状況にどんどんなっているかと思うんです。出口戦略を描くのがどんどん難しくなっていくのではないかなと思うんですけども、その辺りの受け止めはいかがでしょうか。
- 答)
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基本的に先程来申し上げていますとおり、必要なものは躊躇なくやると、こういうことも言っております。つまりは、12月の時点になってどういう状況にあるのか、そういうことも踏まえなければなりません。しかし原則的には、先程申し上げましたとおり、これは時限的な事業でありますから、しっかりとまた出口に向けて制度設計も含め考えていくということだと思います。
- 問)
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為替についてですけれども、対応についてですが、今の円安は独歩円安ではなくてドル高だという見方がマーケットで根強いんですけれども、そうした状況の中で、口先介入あるいは実弾介入しても効果はないんではないかという疑問の声があるんですけれども、大臣の考えをお聞かせください。
- 答)
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確かにドル高の状況であって、これは対円だけではなしに、ほかの通貨においてもドル高になっている。逆に言うと円だけではなくてほかの通貨においても、それぞれの通貨安になっているという状況であると、こういうふうに思っております。
そういう中で、現に我が国としては円安がこれだけ進んでおりまして、ファンダメンタルズに沿った安定的な推移からはちょっとかけ離れているのではないかと、こういうことでありますから、こうした急速な変動は望ましくないということで大変憂慮しているところでございます。
こうした状況に対応するために、私どもとしては強い緊張感を持って注視するということ、それと同時にあらゆる措置を排除せずに、為替市場において必要な対応を取りたいと、そういうことを申し上げているところでありまして、そういう思いの中でしっかりと対応していかなければいけないと思っています。
(以上)