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鈴木財務大臣兼内閣府特命担当大臣臨時閣議後記者会見の概要

(令和4年8月10日(水曜)12時01分~12時11分)

【質疑応答】

問)

先程臨時閣議があったと思いますが、辞表の取りまとめがあったということですが、財務・金融大臣になられて10カ月ほどだと思いますが、この間を振り返られて印象に残っていることは何でしょうか。また、自身のこれまでの在任期間においての成果はどのようなものだと考えていらっしゃいますでしょうか。あと、財務省が現在抱えている課題についてお考えがあればお聞かせください。

答)

先程臨時閣議がありまして辞表の取りまとめがありました。昨年10月に財務大臣、それから金融担当大臣に就任したときに、私は前任者の麻生大臣のように麻生流で仕事はできないので、地味でも堅実に仕事をしたいということを申し上げたわけであります。堅実に仕事ができたかどうかは皆様方の方で評価していただきたいと思いますが、地味な方は十分地味だったかなと思っております。昨年10月に就任してから本当にいろいろなことがありました。1つはやはり新型コロナ、ロシアによるウクライナ侵略、物価高騰など、まさに大きな変化に直面をいたしまして、政府の一員として最大限の警戒感を持って対応に当たってきたところでございます。
新型コロナ対応につきましては着任いたしました当時を振り返りますと緊急事態宣言などが昨年9月末に解除されまして、新型コロナの新規感染者数は低下傾向にあったわけであります。しかし日本の経済はコロナによりまして依然として厳しい状況にありまして、感染拡大の可能性に備えつつ、経済を自律的な成長軌道に乗せていくことが政府にとって大きな課題であったと思っております。これを受けまして昨年11月に経済対策を策定し、年内に補正予算を成立させるとともに、それに続いて過去最大規模となる当初予算を編成するなどコロナ禍で万全の危機対応を行ってまいりました。
そして物価高騰対策でありますが、本年2月のロシアによるウクライナ侵略などを背景とする原油・穀物などの価格高騰、これは日常生活や企業活動に大きな影響を及ぼし、多くの国民の皆様が不安を感じられてきたことと思います。物価高騰による影響を緩和するとともにコロナ禍からの経済社会活動の回復を確かなものとしなければならないわけであります。このような強い意志のもと、今年4月の総合緊急対策の策定と予備費の活用、そして補正予算編成と切れ目なく対策を講じることに努めてまいりました。先月7月29日でありますが、電力需給ひっ迫と電気料金高騰への対応、そして農業関係でありますけれども、肥料価格高騰に伴うコスト抑制のために約2,600億円の予備費の支出を決定したところであります。今後も新型コロナへの対応と物価高騰対策に機動的に取り組んでいくことが重要な課題であると考えております。
ウクライナ情勢でありますが、ロシアによるウクライナ侵略、これは日本や世界の人々に大きなショックを与えました。今回のロシアの行動は多くの命と財産を奪い、世界経済に大きな混乱をもたらした決して許されない蛮行であると思っております。財務大臣としてG7をはじめとする国際社会と緊密に連携しつつ、あらゆる国際会議の場でロシアによる侵略戦争を強く非難してまいりました。加えて、実効性のある措置として、予定されていた法案に加えまして、対露経済制裁をさらに強化するための外為法・関税暫定措置法の改正を急遽国会でご審議いただくなど、迅速な対応にも努めてまいりました。昨年10月には約140カ国・地域が参加するBEPS包摂的枠組みにおいて約100年ぶりに国際課税原則を抜本的に見直す歴史的な合意に至ることができました。世界情勢は目下厳しい状況にありますけれども、このような中においても国際課税の問題をはじめ、世界が直面する課題について議論を深めていくことが重要であると思ってございます。
昨年10月の着任早々に矢野前事務次官の投稿の問題、少し議論になったところでございますが、新型コロナ対応、物価高騰対策に万全を期す一方で、財政の健全性を守ることが財務大臣としての私の最大の使命でございました。コロナ禍からの回復などを背景に税収は過去最大となる一方、歳出がそれを上回って大きく増加しておりまして、日本の財政状況は依然として厳しい状況にあります。この点、骨太2022におきまして財政健全化の旗を降ろさず、これまでの財政健全化目標に取り組むとされているように財政健全化の道筋を引き続き示すことができたのは非常に大事なことだったのではないかと考えております。先日7月29日の閣議で概算要求基準について了解をいただき、来年度予算編成に向けての議論が本格化してまいりました。来年度予算は防衛、それからGX、子育てといった重要課題が山積する中で厳しい編成になると予想されておりますけれども、日本が直面する重要課題に予算を重点化していくとともに、歳出歳入両面の改革を進めていくことが重要であると思っております。
金融担当大臣もさせていただきました。金融面についてはまずもってコロナや物価高騰等の影響を受けた事業者への支援等を最優先事項として取り組んでまいりました。また、金融のデジタル化に対応した資金決済制度を構築するなど、金融環境や経済社会情勢の変化を踏まえた制度的な対応を行ってきたほか、新しい資本主義の考えのもと、投資家と企業の建設的な対話を促進するための人的資本を含む非財務情報の開示の充実、気候変動をはじめとする社会的課題に対応して持続可能な社会を実現するためのサステナブルファイナンスの推進などに取り組んできたところであります。引き続き金融仲介機能を発揮して力強く経済を支えていくほか、資産所得倍増プランの検討を進めるなど、貯蓄から投資への流れを促進していくことなどが重要な課題でありまして、新しい内閣のもとにおきましてもしっかりと進めていく必要があると思います。
一応10カ月の節目を迎えたわけでありますが、この間、多くの方々に支えていただきまして、つつがなくここまで仕事を進めることができたと思います。また、記者クラブの皆様方にもいろいろご対応をいただき、いろいろご指摘をいただき、勉強になる面もございました。皆様方にも感謝を申し上げたいと思います。

(以上)

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