鈴木財務大臣兼内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要

(令和4年6月7日(火曜)9時33分~9時41分)

【質疑応答】

問)

最近の骨太の方針をめぐる議論などでは、防衛力の強化や脱炭素など将来的な歳出増加圧力につながる政策が重視され、財源論や財政健全化の観点が置き去りになっているようにも思われます。歳出面ばかりが目立っている最近の議論の現状を財務大臣としてはどのような思いでご覧になっていますでしょうか。

答)

骨太の方針をめぐって様々議論がなされ、また与党の政策決定プロセスでも活発な議論がなされたということを聞いております。総理もおっしゃっているわけでありますが、我が国が直面する様々な社会課題については、官と民が協力をして、むしろ社会課題を解決するということを成長のエンジンにすると、そして課題解決に向けた投資と改革を大胆に実行していかなければならないと、そういうことを申されておりますし、そのように私も思っております。
同時に強靱で持続可能な経済社会を構築するためには、我が国の厳しい財政状況も踏まえまして、財政健全化に向けた歳出歳入両面の改革をしっかりと取り組むこと、これが必要不可欠であります。
この点について、31日火曜日の経済財政諮問会議で示された骨太の方針の原案におきましても、人への投資、GXへの投資といった重点分野につきましては、官民連携のもと、必要な財源を確保しつつ推進する旨が明記されております。そしてご質問にありました子ども政策につきましても、安定財源について幅広く検討を進めるとされておりまして、必ずしもこうした財源論とか財政健全化の観点での議論が置き去りになっているわけではないと理解をしております。そして防衛力につきましては、これも国会等で総理が繰り返し発言されておりますとおり、防衛力強化の内容と防衛費の規模のみならずに、これらの裏づけとなる財源の在り方について、新たな国家安全保障戦略等の策定、これは年内に行う予定ですが、その策定や今後の予算編成過程において一体的に検討していくもの、そのように承知をいたしております。
財政は国の信頼の礎でありまして、中長期的な財政健全化のためにプライマリーバランスの黒字化、債務残高対GDP比の安定的な引下げ、これを目指して責任ある経済財政運営を進めていかなければならないと考えております。

問)

昨日、日銀の黒田総裁が講演で家計の値上げの許容度が高まっているというような発言をされましたが、現時点で円安もかなり進んでおりますし、この発言に関する大臣のお考えを伺えますでしょうか。

答)

黒田総裁の発言でございますが、詳細について把握をしておりませんので、発言そのものに対します私のコメントは今の段階で控えさせていただきたいというふうに思います。
先般の総合緊急対策等で対応しておりますように、政府といたしましては、物価については足元のウクライナ情勢等に伴う原油価格や物価の高騰がマインドの悪化や実質購買力の低下を通じて民間消費や企業活動を下押しするなど、景気の下振れリスクには十分注意する必要があると考えております。私共としては、物価についてはそのような考えを持って今後いろいろな施策を進めていきたいと思っています。

問)

今日の外国為替市場で一時132円33銭と20年ぶりの円安水準になっています。これについて大臣の受け止めをお願いします。

答)

いつもと同じことで恐縮ですが、為替の水準等については、コメントすることは控えさせていただきますが、為替相場は経済のファンダメンタルズを反映して安定的に推移することが重要でありまして、特に急速な変動は望ましくないと考えております。政府として為替市場の動向や日本経済への影響を緊張感を持って注視をしているところでございます。そしてこれまでG7等で合意された考え方、すなわち為替レートは市場において決定される、為替市場における行動に関して緊密に協議する、過度の変動や無秩序な動きは経済や金融の安定に悪影響を与え得るという従来のG7等での合意に基づきまして、アメリカ等の通貨当局と緊密な意思疎通を図りつつ、政府として適切に対応していきたいと思っております。

問)

関連してなんですけれども、現在の為替水準というのは日本経済にとってプラス、マイナス、どちらの影響が大きいと見ていらっしゃいますでしょうか。

答)

それも含めて為替水準に関わることでありますので、私の発言で何か影響を与えてもいけませんので、コメントは避けたいと思います。

問)

少し毛色が変わるんですけれども、スポーツ賭博について伺いたいと思います。スポーツの試合結果などを賭けの対象とするスポーツベッティングの解禁に向けた議論を経産省などが本格化させる見込みです。G7の中でスポーツ賭博が導入されていないのは日本だけで、財源の確保や税収の増加につながるといった期待がある一方で、八百長やギャンブル依存症の増加も懸念されますが、大臣の見解を伺います。

答)

今朝の新聞で承知をしておりまして、それまでそういう動きも含めて全く存じ上げておりませんでした。したがいまして事実関係も分からないわけでございますが、また、経産省ということで直接の所管でもございませんので、今日の段階で何かコメントすることはちょっと難しいという状況です。

(以上)

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