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参議院財政金融委員会における自見金融担当大臣の発言要旨
(平成23年10月25日)
(はじめに)
金融担当大臣の自見庄三郎でございます。引き続き、御指導、御鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。
本日は、現下の金融行政について、一言申し述べます。
(我が国金融システムを巡る状況について)
はじめに、我が国金融システムを巡る状況について申し上げます。
年央以降、欧州の財政・金融問題や欧米経済の回復の弱さへの懸念から、世界経済の先行きに対する不確実性が高まっております。これを背景に、世界的にリスク回避の動きが生じ、為替市場を含む金融・資本市場では不安定な動きが見られます。
このような状況の下、金融システムの健全性を確保し、金融仲介機能が円滑かつ積極的に発揮されるよう、気を引き締めて、的確な対応に努めてまいります。
(東日本大震災への対応について)
次に、東日本大震災への対応について申し上げます。
本年三月十一日に発生した東日本大震災は、我が国に極めて甚大な被害をもたらしました。そして、現在も、復旧・復興に向けた取組みが、関係者一丸となって続けられているところです。
金融庁としては、震災直後から、金融機関に対し、被災地の実情を踏まえた適切かつ柔軟な対応を働きかけてきておりますが、震災からの復旧・復興のためには、金融の果たす役割が大変重要であることを踏まえ、引き続き、金融機関による積極的な対応を促してまいります。
また、本年七月に施行した「金融機能強化法」の改正法の活用について、金融機関に対し、積極的な検討を促してまいります。
いわゆる「二重債務問題」については、「個人債務者の私的整理に関するガイドライン」の運用支援を行うなど、被災地の復興支援に最大限努めてまいります。
(金融の円滑化について)
続きまして、金融の円滑化について申し上げます。
中小企業者等の業況や資金繰りは、震災や円高の影響等もあり、依然として厳しい状況にあります。このような状況の下、金融機関においては、顧客企業に対しコンサルティング機能を積極的に発揮することにより、顧客企業の経営改善等を最大限支援していくことが求められています。
金融庁としては、中小企業者等のニーズに的確に対応した金融仲介が行われるよう、引き続き、中小企業金融の円滑化に向けて全力を挙げて取り組んでまいります。
(国際的な金融規制改革について)
最後になりますが、国際的な金融規制改革の動向について申し上げます。
世界の金融システムを強化する観点から、これまで、G20サミット等で示された方向性に基づき、銀行の自己資本や流動性等の新たな枠組みの整備等について、国際的な合意が得られたほか、店頭デリバティブ市場の改革等の多様な施策も進展しているところです。
我が国としては、こうした改革を進めていくにあたっては、中長期的に強固な金融システムを構築していく一方で、十分な経過期間を設けるなど実体経済への影響に十分配慮する必要があると考えております。十一月にカンヌ・サミットが開催されますが、こうした観点も踏まえつつ、引き続き、国際的な議論に積極的に参画し、各国と協調した取組みを進めてまいりたいと考えております。
(結び)
以上、金融担当大臣として、一言御挨拶を申し述べました。今後とも、皆様のお力添えを得て、金融行政の運営に全力を傾注する所存です。尾立委員長をはじめ、委員各位におかれましては、御理解と御協力をお願い申し上げます。