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平成22年9月10日
金融担当大臣談話
-日本振興銀行株式会社について-
1.本日、日本振興銀行株式会社(以下「日本振興銀行」という。)より、預金保険法第74条第5項に基づき、「その財産をもって債務を完済することができない」旨の申出があった。同行は、本日中に、東京地方裁判所に対し、民事再生手続開始の申立てを行う予定である。
同行は、一部業務停止命令及び業務改善命令を踏まえ、経営改善に取り組んでいたところであるが、今般、このような事態に至ったことは、誠に遺憾である。
2.当該申出及び日本振興銀行の財務状況を踏まえ、本日、預金保険法第74条第1項に基づき、金融整理管財人による業務及び財産の管理を命ずる処分を行うとともに、同法第77条第2項に基づき、預金保険機構を同行の金融整理管財人として選任したところである。
今般の措置により、同行の代表権、業務の執行並びに財産の管理及び処分権は金融整理管財人に専属することとなり、同行は、民事再生手続を利用しつつ、金融整理管財人の下で、適切な業務運営に取り組むことになる。
3.日本振興銀行の預金については、預金者一人当たり元本1,000万円までとその利息の合計額について、預金保険制度により保護される。
預金保険制度により保護される預金については、週明け後早期に払戻しできるよう準備を進めることとしている。これらの預金については、払戻しの時期を問わず保護されるので、預金者におかれては、冷静な対応をお願いしたい。
預金者一人当たり元本1,000万円を超える部分とその利息については、同行の財産の状況に応じ、民事再生手続の下で作成される再生計画に従って弁済が行われることとなるが、預金者の利便性を確保する観点から、預金保険制度の概算払制度により、預金保険機構が早期に概算払率に基づく払戻しを行う予定である。
4.日本振興銀行の融資面については、金融整理管財人に対し、善意かつ健全な借り手への融資についてきめ細かな対応を図るよう要請したところである。また、関係機関に対しても信用供与の円滑化のため万全の対応を行うよう要請することとしている。
今後についても、善意かつ健全な借り手への融資については、第二日本承継銀行へ引き継がれた後、最終的な受皿金融機関に引き継ぐことを想定しているので、利用者におかれては、心配されることなく冷静な対応をお願いしたい。
5.日本振興銀行は、近年、貸金業者からの債権買取を増加させるとともに、親密な大口与信先に対する急激な業容拡大を図るという特異なビジネスモデルの下で、それに見合った十分な与信審査管理を行わなかった結果、多額の追加引当金が必要となったものである。同行が破たんに至ったのは、このように同行特有の事情が主たる要因と考えられる。
また、同行は、決済用預金や普通預金の取扱いがなく、決済機能を有していないほか、インターバンク市場からの調達もないなど、他の金融機関とはその形態が異なっており、こうした面からも他の金融機関とは置かれている状況が異なっているものと認識している。
こうした同行の状況も踏まえると、今般の同行の破たんは、我が国金融システムの安定性に影響を与えることはないと考えている。
6.今後とも当庁としては、我が国金融システムの安定のため、金融機関に対する検査・監督権限の適切な行使を通じ、個々の金融機関の経営の健全性維持を図り、もって預金者等の保護、信用秩序の維持や、内外金融市場の安定性の確保に万全を期してまいりたい。
1.本店所在地 東京都千代田区神田司町2-7 日本振興ビル |
2.役員 代表執行役社長 小畠 晴喜(こはた はるき) |
3.沿革等 平成16年4月 営業開始 |
4.総資産 4,935億円 |
5.預金 6,101億円 |
6.貸出金 4,479億円 |
7.資本勘定 ▲1,870億円(うち資本金183億円) |
8.自己資本比率 (単体)▲46.67% |
9.店舗数 118店舗 (注)平成22年8月末時点 |
10.従業員数 829名 (注)平成22年8月末時点 |