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衆議院財務金融委員会における亀井金融担当大臣の発言要旨

(平成21年11月11日)

(はじめに)

このたび金融担当大臣に就任致しました亀井静香でございます。宜しくお願い申し上げます。本委員会における御審議に際し、一言御挨拶を申し上げます。

(我が国金融システムを巡る状況について)

はじめに、我が国の金融システムを巡る状況について申し述べます。

昨年来、欧米発の金融危機により、世界的に景気が後退しました。現在、世界経済は一部地域に持ち直しの動きが見られますが、引き続き深刻な状況にあります。また、我が国の景気は持ち直してきているものの、自律性に乏しく、失業率が高水準となるなど、依然として厳しい状況にあります。

今般の金融危機が我が国の金融システムそのものの健全性に与える直接的な影響については、欧米と比べれば限定的でありましたが、依然として厳しい状況にある実体経済から来る影響など、引き続き状況を注視する必要があります。

(今後の金融行政の基本的考え方について)

今後の金融行政の基本的な考え方について申し述べます。

国民生活の安定や日本経済の発展のため、金融機関は、その社会的責任を認識し、業務の健全かつ適切な運営の確保に配意しつつ、企業の健全な発展に寄与することが不可欠です。金融機関がこの責任を果たせるように、金融行政を運営していくことが重要です。

こうした考えの下、金融機関による円滑な金融仲介機能の発揮を促すとともに、我が国の金融・資本市場の機能強化や金融取引に係る利用者保護の充実に取り組んでまいる所存であります。

また、金融危機の再発防止と強固な金融システムの構築に向けて国際的に連携していくことは重要であり、そうした議論に今後とも積極的に参画してまいります。その際には、画一的に規制強化を進めるのではなく、我が国の各金融機関の実態や地域経済に果たす役割に照らした規制・監督のあり方を検討し、国内外で調和の取れた制度を構築してまいります。

(金融の円滑化について)

景気が厳しい状況にある中、中小・零細企業等からは、資金繰りがなお厳しい状況にあるとの声があがっております。私は、日本経済の支柱である中小・零細企業に、金融面での支援を行うことを通じて、中小・零細企業を元気にし、雇用の安定や景気の回復にもつなげていくことが必要であると考えており、さらに、住宅ローンの借り手の生活の安定を図ることも必要であると考えております。

こうした考えに基づき、一時的に借入れの返済に苦しんでいる中小企業や住宅ローンの借り手から申出があった場合には、金融機関は、できる限り貸付条件の変更等に応ずる等の臨時措置を定める「中小企業者等に対する金融の円滑化を図るための臨時措置に関する法律案」を提出いたしました。国民の皆様が安心して年を越せるようにするためにも、速やかに御審議の上、御賛同いただきますよう、お願い申し上げます。

なお、法律案の成立を待つことなく、金融機関が自主的、自発的に中小企業や住宅ローンの借り手の要請に応じ、金融機関がその社会的責任を果たして顧客の金融の円滑化に寄与することを期待しており、政府としても、適切な指導監督を行うとともに、所要の施策を講じてまいります。

また、金融機関が将来を見据えた経営の中で、金融仲介機能を十全に発揮していくため資本増強を必要と判断する際には、金融機関に対して、改正金融機能強化法の活用についても積極的に検討していただくよう呼びかけてまいります。

(結び)

私は、金融担当大臣を拝命して以降、金融行政に取り組む際の基本的な考え方について、職員に対して指導してまいりました。今後とも、国民の皆様の期待と信頼にこたえるため、関係機関との連携も深めつつ、金融システムの安定、利用者保護・利用者利便の向上、及び公正・透明で活力ある市場の確立に全力を尽くしてまいる所存であります。玄葉委員長をはじめ、委員各位におかれましては、御理解と御協力をお願い申し上げます。

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