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参議院財政金融委員会における与謝野大臣の発言要旨
(平成21年2月24日)
(はじめに)
財務・金融担当・経済財政政策担当大臣の与謝野馨でございます。これまで、経済財政政策担当大臣として、麻生内閣の経済財政運営に携わってまいりましたが、この度、財務・金融担当大臣を拝命いたしましたので、本委員会において一言御挨拶を申し上げます。なお、いわゆる「所信表明」については、委員長のお許しを得て、しかるべきときに、これを述べさせていただきたいと考えております。
(最近の経済金融情勢への対応)
はじめに、最近の経済金融情勢への対応について申し述べます。
我が国の景気は急速な悪化が続いており、戦後最悪の経済危機と申し上げても過言ではない状況にあります。
このような経済金融情勢の下、政府は、財政面で十二兆円程度、金融面で六十三兆円程度、事業規模七十五兆円程度となる一連の経済対策をとりまとめました。これらの対策を実効あるものとするためには、平成二十年度第一次補正予算、第二次補正予算及び平成二十一年度予算を、切れ目なく実施していく必要があります。
そのため、まずは、第二次補正予算について、学校耐震化や防災関連の公共事業に関して、可能な限り執行を促進させるとともに、その他の事業についても、関連法案が成立し次第直ちに執行を開始できるよう、準備を進めております。また、平成二十一年度当初予算についても、早期成立をお願いするとともに、成立後、年度当初から速やかな執行を図ることとしております。
また、我が国の金融システムそのものは、欧米に比べれば相対的には安定しておりますが、株式市場等の大幅な変動や実体経済の悪化から来る影響が大きくなってきており、引き続き高い緊張感の下で状況を注視してまいります。
さらに、景気が急速な悪化を続ける中で、企業の資金繰りも大変厳しい状況となっており、金融機関による適切かつ積極的な金融仲介機能の発揮が一層重要となっております。このため、改正金融機能強化法の迅速な施行など、様々な措置を講じてきたところであり、引き続き、金融仲介機能の発揮を金融機関に対して要請してまいります。
(本国会における提出法律案)
本国会においては、現在「平成二十年度における財政運営のための財政投融資特別会計からの繰入れの特例に関する法律案」を御審議いただいているところであります。
本法律案は、平成二十年度第二次補正予算における施策に必要な財源を確保するための臨時の措置として、同年度における財政投融資特別会計からの一般会計への繰入れに関する特例措置を定めるものであります。
また、「財政運営に必要な財源の確保を図るための公債の発行及び財政投融資特別会計からの繰入れの特例に関する法律案」、「所得税法等の一部を改正する法律案」、「関税定率法等の一部を改正する法律案」及び「国際通貨基金及び国際復興開発銀行への加盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案」についても、既に国会に提出をしております。
さらに、「金融商品取引法等の一部を改正する法律案」及び「資金決済に関する法律案」の提出を予定しているとともに、「国家公務員共済組合法の一部を改正する法律案」の提出を検討しております。
現下の経済金融情勢を考えますと、まずは平成二十年度第二次補正予算関連法案を一刻も早く成立させるとともに、平成二十一年度予算及び関連法案を今年度内に成立させ、国民生活と日本経済を守るための施策を速やかに実施することが必要不可欠であります。
また、その他の法律案についても、速やかに所要の施策が講じられるよう、可能な限り早期に成立させることが重要であります。
御審議の上、御賛同いただきますよう、お願い申し上げます。
(結び)
以上、財務・金融担当大臣として、一言御挨拶を申し上げました。今後とも、皆様のお力添えを得て、政策運営に最善を尽くしてまいる所存であります。
円委員長をはじめ、委員各位におかれましては、御理解と御協力をお願い申し上げます。