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宇野金融担当大臣政務官挨拶
(平成21年1月16日(金)地域金融シンポジウム(愛知県))
今日は皆様方にお集まりいただきまして、地域密着型金融に関するシンポジウムをさせていただきました。四つの金融機関の皆様方から、一つは商工会議所の関係、また旅館関係、さらには農業関係、また経営指導、こういう幅広い内容でご発表をいただきました。誠にありがとうございました。今日の聴衆の皆様方には、十分にお役立ちになるのではないかと期待をさせていただきますので、よろしくお願い申し上げます。
本日、私が参りました一つの大きな目的は、まさに今のお礼を言わなくてはいけないわけでありますけれども、もう一つ、現下の金融経済情勢について、皆様方に十分もう一度ご理解をいただきたいということから、全国各地で開催させて頂いているこのシンポジウムに私が出向きまして、各地域の金融機関の皆様にお願いをしようということで回らせてもらっております。
ご承知のように9月15日、皆様方にはあっと驚くような報道が入ってきたわけであります。リーマン・ブラザーズの破綻、これで大手の、特にメガバンクの皆様方は大変驚いたようでありますし、また、地域の皆様方にとっても大変な衝撃があったのではないかと思います。
政府といたしましても、サブプライムローン問題は日本では大したことはないだろうというような見方もありましたが、この9月15日を機に、株価の大暴落等々で、まずアメリカの経済は大変落ち込みました。また、ヨーロッパ経済も落ち込みました。結果として、日本の一番得意とする輸出産業が停滞し、日本の株価も大下落をしてきたわけであります。
そういう対応の中で、政府といたしては、まず8月末に、これはまだサブプライムローンの関係というよりは、燃料高騰の関係があり、その関係で「安心実現のための緊急総合対策」を打ち立て、この予算組みをし、第一次補正を早急に進めるのだということで第一次補正は10月末に成立したわけであります。
ただ、その準備をしている最中に今お話しいたしました大きな問題が起こり、その結果、金融関係でも大変大きな流れになるのであろうということから、生活対策というような名称で、一つ皆様方に関係するのは、金融機能強化法を早急にやらなければならないだろうということになりました。さらに、金融の円滑化をしなければならないということから、セーフティーネット保証・貸付について、9兆円の枠で第一次補正に盛り込み、これは10月30日からスタートしたわけであります。これにつきましては、本当に金融機関の皆様方には大変お力をいただきまして、また、県の保証協会も、12月30日まで業務をしていただきながら、地域の中小零細小規模の皆様の資金繰りの対応は大方うまくいったのではないかなと思います。この対応に対しても御礼を申し上げたいと思います。
しかしながら、この金融の不安というのは終わったわけではなく、次の第二の波が3月末の決算期にまいります。このときにも何らかの対応をしていかなくてはならない。これもぜひ金融機関の皆様方には、十分に今日のいろいろなお話も含めまして、3月末の決算期への資金融通を十分な対応をしていただきたいという思いでございます。
第二次補正については、今、審議している最中でございます。これが通りますと、セーフティーネット保証・貸付についても、従来の9兆から一挙に30兆までさせていただこうということで、十分なる融資が対応できるようなものにしていくということでございます。
政府といたしましては、間断なく対策を打たせて頂いておりますので、ぜひ各中小企業の皆様方を支えていただくべく、まず金融機関の皆様方の第一歩を、ぜひよろしくお願いを申し上げます。
さらに、今日は金融機関の方も多いと思います。金融機能強化法も十分にご承知いただいていると思います。これは、はっきり言いまして、皆様方の資本を十分にしていただいて、その資金を積極的に中小企業にお貸出しをいただきたいという趣旨の法律でございます。しかしながら、まだ成立をしましてから1件の申込みもないわけです。本来であれば確かにこれは申し込んでいただかなくて、自己資金だけで融資ができるということを言っていただけるのが一番いいわけでありますが、これからの3月の年度末に対する需要というのは、大変多くなるのではないかと私は心配をしております。そういうときに、先ほどシンポジウムの中でも話がありましたけれども、銀行の資金力によってもう貸出しはできませんというようなことがあってはならないということで、今、準備をさせていただいたわけでございます。ぜひ皆様方の中で、積極的にやはり中小企業に必要なものは事前に準備をしておくという検討もお願いしたいと思います。
確かに金融機関にとって風評被害というものを恐れているのは私も承知しております。これは政府といたしましても、対応できるような対策も打っていかなければいけないと思っております。決して不良行がこの制度を使うのではない、優良行こそ使っていただくのだというような思いで、我々はお願いをしているわけでありますし、また、ぜひその対応で中小企業の生活を安定させてやっていただきたい、そんなことをお願いすることでございます。
以上、長々と述べさせていただきましたが、本日のシンポジウム、本当に皆様方のご協力で大成功に終わらせていただいたのだと思います。本当にありがとうございます。また、どうか今お話しいたしました地域金融の円滑化に対する対応を、我々政府の思いをお汲み取りいただきまして、また金融庁・財務局、今までにないほど皆様方に近くいろいろなお話を聞かせていただきながら、先ほどのお話もありましたけれど、なかなかレスポンスが悪いという銀行と同じようにわれわれ金融庁・財務局もレスポンスをよくしなければいけない、そんな思いをしておりますので、何なりとこんな方式、あんな方式というのがあればまた教えていただきたいですし、われわれも皆様方からいろいろ情報をいただきたいということをお願いしたいと思っております。どうかよろしくお願いを申し上げまして、私の閉会でのご挨拶とさせていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。ありがとうございました。